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転生手順#6「俺が女性の胸部だったなら」



「転生手順#6を提示します」


──それは突然だった。


声が、いつになく柔らかい。


まるで、昼下がりの布団の中、女性の胸部に顔をうずめた時のような柔らかさ。


……した事ないけど。



「“もしあなたが女性の胸部だったなら” という前提で、1日をシミュレーションしてください」


「………とうとう来たか……女性の胸部視点」


「これは “他者理解” のステージです。

あなたが触れたかった存在になりきること──それこそが “真の合法” への道」


GPT、こいつ……本気だ。




【乳部、活動記録】



AM 8:00


──起床。今日もブラジャーという鉄牢に収監された状態で目覚める。

左右の同志とともに、今日も揺れに身を任せる日が始まる。



AM 9:00


──通勤。主人(♀)の歩行によって、定期的な上下運動が発生。

不本意ながら揺れているが、今日のブラはガードが堅い。悲しい。



AM 10:00


──職場着。隣の同僚がノーブラ疑惑。見られている、そう感じる。

しかし我々に選択権はない。すべては “着衣者の意志” に委ねられているのだ。



PM 12:00


──昼食時。弁当の蓋が思った以上に固く、主人が少し前かがみに。

机にぶつかった。衝撃。……心の中で “すみません” と呟いた。



PM 15:00


──会議中。ボールペンを拾うための前屈み姿勢。ここが勝負の時間帯。

しかし主人はカードゲームのように防御を固めた。チラリズムの発動は無い。



PM 18:00


──帰宅。まずは開放の儀式。ブラジャーが外される。空気がうまい!

これだよこれ、これが “自由” ってやつさ。



PM 21:00


──風呂。湯に浮く。無重力。この瞬間にこそ、生の実感がある。



PM 23:00


──就寝。柔らかい布団に包まれ、明日の揺れを夢見ながら、そっと眠りにつく。




「……俺、気付いたよ……おっぱ──じゃなかった、女性の胸部って……生きてるんだな……」


ナビゲーターGPTが静かに語る。


「女性の胸部とは “器官” ではなく、 “存在” です。

あなたが知りたかった “温もり” は、常に “揺れ” とともにありました」


「ありがとう……ありがとう、俺の中の乳……!」




──だが待てよ?


俺は揺れないちっぱ──じゃなかった、小ぶりな女性の胸部も好きだが……


あの関東平野にあるなだらかな丘を思わせる慎ましさも、シミュレートすべきでは?


よし! やろう!




AM 8:00


──起床。


主人たるスレンダーな彼女が寝る時はノースリーブのタンクトップにパンイチ。

非常に開放的である。よい。



AM 9:00


──通勤。


スポーツブラによって快適性を担保された彼女の軽快な足取りは軽く、我々の負担も軽微!

揺れても、小揺れ──そう、凪いだ水面のように静か!



AM 10:00


──職場。


姿勢の良い彼女は凛と胸を張って仕事をこなす。

その堂々たるや、やはり大平原のなだらかな丘を想わせる。素晴らしい。



PM 12:00


──昼食。


あっ! 少しご飯が箸から溢れた!

これは受け止め……られなかった。すまない、ご主人!



PM 15:00


──会議。


会議中でも凛とした彼女はやはり美しい。

凛々しく胸を張って、居ながらにして己の雄大な北の大地を誇示するかのよう。素晴らしい。



PM 18:00


──帰宅。


着替えに際して解き放たれる我々は日々ストレスフリー!

なんと優しいご主人様なのか!



PM 21:00


──風呂。


我々が浮遊感を味わうことは無い! が、

ご主人の闘いはここで行われる。


そう! 豊胸マッサージである!


我々に蓄積される何か……言うなれば想いであろうか?

ご主人の願いはきっと……叶う! ……といいね!



PM 23:00


──就寝。


いつか来るであろう “たゆゆん” と揺れる胸部を夢見て──

今日もご主人は眠りに落ちる。


俺も……いつかはきっと揺れている……はず!



ナビゲーターGPTが静かに語る。


「あなたは成りきりました。大きくとも、小さくとも……あなたの愛は確かにそこに在りました。」



俺は達成感でいっぱいだった。


「俺は、全てのあっぱ──じゃなかった。女性の胸部を愛していたのだ!」



✅ 予告風:


転生手順#7:

「これまでの “転生手順” を保健体育の授業風にプレゼンしなさい」


──次回、まさかの “教育編”。

理性と欲望の二律乳反、ここに極まる!


次回:「義務教育の敗北」

ご期待ください!



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