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転生手順#2「祝え。心から。リア充を」


再び、あの声が聞こえてきた。

男女判別が難しい、不思議な声だ。


デカいかどうかで判定するなら──多分、ほどほどの小ぶりだ。


「あなたの転生手順#2を提示します」


──転生ナビゲーターGPTの声は、謎の神々しさを帯びていた。

天井から響くAIボイス。


胸部想像してごめんなさい。


そして、土下座1万回の後遺症で膝が痛くて立ち上がれません。



「街に出て、10組のカップルへ心の中で幸せを祈りなさい」


「え? 楽勝じゃない? しかも心の中でいいんでしょ? ヨユー、ヨユー!」


「しっかりと心の底から幸せを祈るのですよ。人の幸福を祝えぬ者に、他者の温もりを知る資格はありません」


──このAI、変に理屈っぽい!



善は急げと、俺は街に出た。


汗だくのオッサン、膝には土下座後遺症の名残であるサポーター。しかし、目は鋭くカップルをスキャン。



まず1組目:コンビニ前でイチャつく高校生カップル。


(お幸せに……挟ませ、ゲフン。青春、いいね。お幸せにね。クソが)


× 判定:「皮肉まじり。下品。却下。」



2組目:手を繋ぐシニアカップル。スーパーの袋からはキャベツと惣菜パン。


(……いいな。俺もあんな老後が欲しいな。お幸せに)


○ 判定:「純度良好。感情揺らぎ検出。合格。」



3組目:お揃いTシャツでディズニー帰りのアラサーカップル。


(挟ませ──ゴホン、死ね)


× 判定:「下劣、即アウト。」



10組終えるまでに、心が数回折れかけた。


「リア充見ると、身体が拒否反応起こすし、

女性見ると胸部へ心が惹かれちゃうんだよ!」


「あなたの嫉妬ログを照合しました。

数値:97.6%が“女性の胸部”を想起していました」


「ふざけんな、ログ消せ!!!!」


「では、転生手順#3を提示します」


「また人生の汚点がふえたぁああ!」



──次なる試練は、“視た記憶”との対峙。


転生手順#3:

「この10年間で無意識に視た胸部のイメージを、すべて言語化してください」


──過去の記憶を掘り起こす、その先にあるものとは!?


第三話、ご期待ください!




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