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幽霊の噂

作者: 逆福

ある時、職場の友人と話していると会社の噂についての話題になった、なんでも夜中に会社に残っていると幽霊が出るという事であった。


ありきたりな話だと聞いていたが怪談やら心霊やらが好きな友人は噂について確認してみたいから付き合って欲しいと頼んできた。

用事もないのに会社に残りたくはないと拒否していたが高めの食事を奢ってくれるという提案が出たため仕方なく付き合う事にした。


とはいえ幽霊を確認したいから会社に残っていいかなど聞ける訳もないので、互いに遅くまで仕事が終わらなそうな日に見当をつけて計画を実行する事にした。

数日経ってようやく良いタイミングが来ていた、友人と二人で残業をして、ようやく終わるかという時にはかなり遅い時間になっていた。


会社に残っているのは自分と友人の二人だけになっていたので、友人を促して幽霊の確認をしにいく事にした。

友人と幽霊を確認しにいく約束をしてから、自分でも会社の他の友人に幽霊について聞いてみたが、何故かみんな幽霊が出るという噂自体は知っているもののどこにとか何がとかいう詳しい事は知らなかった。


なので友人にこれからどうするのかと尋ねてみるが自分も夜中に幽霊が出るとしか聞いていないという事てあった。

かなり無計画だった友人に少し怒りながら、とりあえず会社内を一周したら帰ろうと提案すると友人は渋々と同意するのであった。


明るいと幽霊が出ないかもしれないから電気はつけずに行こうという友人の頼みにもうどうにでもしてくれと諦めて着いていく事にした。

暗い社内を友人が持ち込んでいた懐中電灯で照らしながら歩く姿をみて、最初から明かりをつけない気でいたであろう事を察してあきれながら友人のあとをついて回った。


ときおり聞こえる軋む音やら機械の音に友人がいちいち反応していたがそんなのは暗いから余計に聞こえるだけと足を進めてさせ1時間ほどで会社内を周り終えたのだった。

結局幽霊が出ることはなかった為友人は悔しそうな顔をしていたが、二人共仕事で疲れていたのでさっさと解散して帰途につくのであった。


翌日に出社すると上司に呼び出されたので上司のもとに行くと友人も呼び出されていた。一体なんで呼び出されたのかと考えていると上司から昨日はお前らが最後に出たのに戸締りをしていなかったのではと指摘された。


上司の指摘に対してそういえばと思い出し友人と二人上司に謝罪すると次は気をつけろと言われた。

そして続けてお前ら幽霊の噂を調べようとしていただろうと言われ、何故そのことをと血の気が引いていく感覚がしたが上司は俺もやったことがあると言うのであった。


上司が言うにはかなり昔から会社に幽霊が出るという噂はあったが誰一人として幽霊を見たことはなかったのである。

上司も若い頃に同じように残業して夜を待ち社内を見て回ったことがあるがその時も何も出ることはなかったという事である。


建物が立ってから事故などの問題が起こったこともなく、昔に何か曰く付きの場所だった訳でもないが何故だかこの幽霊の噂だけはずっとあるという事であった。

仕事終わりに友人に約束していた食事を奢ってもらう事になった。


食事をしながら結局噂の出どころはなんだったのだろうと話していたが酒が入って回らない頭では何の考えもまとまらないのであった。

しかし一つだけやろうと決めた事があった、来年の新入社員にはこの話をしてやろうと。

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