#4 「照れてねーし!?顔熱ちーだけだしっ!?」
ヤバーーー!!!頭から湯気出るくらい熱いって!明日知恵熱出んじゃね?ってくらい考えたんですけどっ!!う… 、うーー、とりあえず勢いでトイレに逃げて来たのはいいけど、余計に怪しめな感じになってねぇ??チキってる場合じゃねーつっの…。
「戻っか……、気合い入れて一気に食うべ」
「悪い、戻ったー、ん?何これ」
「おかえり。え、僕が口を付けたもので食べるのが嫌だったのかなと思って、さっき新しい食器を頼んでおいたんだ」
「バッ… …、そんな訳ねーーーっつーーの!!」
「ほれ!そんなん気にもしてねーから!!ほら見ろ!あーーーうめーーー!!うめー!!お前も食え!!もっと行け!!ほらなっ!んぐっ、あぐ!!あー〜美味かった。ごちそうさん!」
「あっという間に食べちゃった…」
にぇぇいっ!!もうヤケだよ!!勢いで全部押し通したし!間接キスくらい何ともねーべ!!何回もしたったよ!!どうだよ!くそぅ、このままコイツのほっぺ掴んで本当のキスまでしてやろうかなっ!!間接も直接も変わんねーべっ!!!あっヤベッ、ずっとフォーク咥えたままだった…。
「すごいね…、まだけっこう残っていたのに食べ切ってしまった。僕も食べようかな」
「んっ!!そうしなっ!待っててあげるし!!」
「うん、ありがと」
むぅぅ…。頭の中が完っ全にキスの事でいっぱいになってっから誠一郎の唇に目が引き寄せられっし。ヤベぁ、すげぇ動くんだな。唇って。柔らかそう。え、フニフニしてるっぽみ?かわいみあるし。
「どうしたの?」
「えぁ、別にっ!なんもねーしっ!!ただ、誠一郎のも美味そうだなって」
「え?食べる?」
「食べ……!りゅ」
大胆ッ!!大胆なんですけどコイツ!!え、どうしよっ、どう…!そん、いきなり言われてもどうすりゃいいの!?マジヤバッ!!
「あ、あ〜〜〜〜んっ///♡」
「え、そんな感じなの?!え、えぇ……」
あえ゛っ!?違げーのっ?!流れでこんな感じだったじゃん!?勢いで行っちまったんだけど!アタシが調子乗り過ぎっ?恥ずい!!恥ずいって!勘違いだった訳??どうやってこっから誤魔化すのっ!そぉーっと目を開け、…んっ、神ぃ!♡んぎゅ、マジ……、最高なんですけどぉ!大好き過ぎゅっ!!
「んまぁ……♡」
「おいしい?」
「ん、よき……。テンション上げ…」
は、はぁ!?沸騰すんだけどっ!!?ヤバいって!ヤバいの!!なんで誠一郎は平気なんっ!?大人かよ!大人の階段いつの間に駆け上がってんのっ!?話してても内容が何にも入ってこないけど!!な、もう、ほぁ、好きって感情しか芽生えないのですけどっ!!あーーーっ!!コイツの全てが格好よく見えてきたしっ!!キュンしてやまねーーっ!!大丈夫!?大丈夫っ!?アタシキョドってない??!
「ん?どうしたの。もしかして…まだ欲しかった?」
「違、ちげーーって!そんな訳ないしっ!!アタシを食い意地張ったイヌみてーに言うなしっ!」
「あ、ゴメン……」
バッ、なんでそこで素直になんねーのアタシ!!チョイス間違えたって!!普通に口開けとけば良かったじゃんっ!何してんのっ!!何してんのさっ!!
「キャーーーー!!」
「え、何!?ガラスの割れる音?」
「何だろう?大丈夫なのかな」
「お客様お客様、すみません!」
「あの、当店の不手際でデザートのセットをご用意するのに三十分ほどお時間を頂きたいのですが……」
「デザート?」
「あぁ、コーヒーのセットに付いてるやつか…」
「どうする?誠一郎」
「うーーん、いいけどそろそろ時間が…」
「なら、いいんじゃね?あの、アタシらはいいです。ありがとう」
「わかりました。申し訳ありません…」
「いいっていいって。気にしてないので」
ひゅーー、助かったし…。今のでちょっと冷静になれた。やっぱアレっしょ。他の人のミス見て自分が落ち着くってやつ。なんだっけ、なんかことわざであったし?忘れたけど。
「じゃあコレ食べ終わったら行こうか」
「そだね。そうしよ」
いっか♡誠一郎の食べる姿眺めてるだけでも楽しいし♡
「お会計はこちらになります」
レジの所もかっけーのな〜。全部がお洒落なのすげーよな。誰が考えてんだろ?植物も全部に水やってんの?棚の上のとかどうやってんのか分かりみねーけど。
「あ、あの、先程は申し訳ありませんでした」
「い、いえ…気にしてないので大丈夫ですよ」
「すみません。いつもはこんな事ないですから。またご来店お待ちしております。あの、お近くにお住まいなのですか?」
「いや、少し離れています」
「そうなのですか。じゃあ、待ってください。お店のカードを…、えっと、ここかな。あった!えへへ、どうぞ!あの…ここを読むと分かるのですけど、お店のホームページと住所があって……」
ん゛っ。なんか……近くね?誠一郎も何デレてんの?
「お会計終わったー?行くよ」
「あっ、うん。それじゃ」
「あ…、あの、はい……。またのご来店お待ちしておりますー!」
…あれっ?モヤるんですけど。違和感マシマシだし。楽しい気分に水さされた感じ?コイツも何でデレてんの?あ゛ぁー最悪。
「鈴木さん鈴木さん、待ってよ。歩くの早くない?」
「え、そんな事ねーし?早く行くべ」
「う、うん……」
一方、その頃…。
「ありがとうございましたー」
あの人… …、金髪の人は知らないけれど、男の人は見覚えあるなぁ。確か、ウチの大学のキャンパスで見た事あったよね。
「沙羅ちゃん、もう上がっていいよ。お疲れ様」
「はーい。店長ありがとうございます」
ちょっと離れたバイト先にして正解だった、かな?
「ふぅん…?」
おもしろそうな玩具を見つけた気分。楽しくなりそう。