#3 「喫茶店だし!おしゃれだし!?」
「鈴木さん鈴木さん、そろそろ入りませんか?」
「ん?へぁ、んあ?あ、、そーね。そうしよっ」
そうだったそうだった。そういえばアタシらは喫茶店に茶シバきに来たんだった。あぶねーっ!惚けてる場合じゃねーつーの!
「いらっしゃいませー!」
「何名様ですかぁ」
「二人です」
ヤバっ、店ん中めっちゃ木!!外は都会なのに大自然広がってんじゃん!
「メニューも凝ってる〜!どんなのか想像付かないんですけどー!!大正解じゃね?!バチ上げっしょ!」
「うん、そうだね。どれがいいかな」
「あ、アタシこれにしよ〜。コレしかない気分だし」
「早いね。どんなの?えっと名前だけだとよく分からないけど何でコレなの?」
「え?パッション?気分的にコレがいい感じ〜♡」
「そ、そっか。僕はどうしよう…。どれにしよう」
「メニューの名前だけだと謎だよね!あ!見て見て!横にマークあんじゃん!このマークってスマホで読めば写真出てくんじゃね?」
「本当?」
「やってみ?アタシもやろ」
「本当だ。すごいね」
はい、マジアタシ天才〜!他のも見て見たいから撮ってみよ。
「お客様お客様!!」
「ん?なに?何でした〜?」
「あの…… それはモバイルオーダーでして……」
「は?マジ?!コレで注文取れるの?!未来過ぎん?エグちなんですけどっ!」
「お客様……オーダー取り消して頂かないと沢山のご注文が……」
「ええっ、どうやってするのですか?」
「それは……ここのバツボタンを…はい、そうです、それを…全部」
「恥ーーーーッ!!あーはっはっ!!アタシらめっちゃ大食いに思われてるじゃん!!」
「ね、ビックリした。今はこんな風になっているんだね」
「ウチらの地元だと紙とペンだし!それも味じゃん?」
「うん、そっちの方が慣れてるよね」
「それに他の席の人達もかっけー人達ばっか。映画みたい。おじいちゃんおばあちゃんだらけだもんね近所。落ち着くけど」
「確かにね。でも、ここも解放感あって落ち着くよ」
「それな〜。あ、そだ。敬語いつの間にか消えてっし。落ち着いたん?」
「うん…、そういえば」
「いっしっしっ。なら、よきじゃん?」
ここでまったりしてるのマジで最高。誠一郎も居心地良さそうだし、お気にだな〜。
「ん〜〜〜っ」
「どうしたの?もしかして疲れた?」
「んーん、違うくて。いいお店じゃん?リラックスしてんの」
「そう…なんだ。でも鈴木さんが気に入ってくれてよかった」
「あったり前じゃん!!誠一郎のチョイスにハズレなしって言うじゃん!!だから今回も何の心配もしてねーけどぉ??」
「い、言うのかな……」
「お待たせしましたー」
目の前にめっちゃ綺麗なジュースとパンケーキが来たっ!!マジでヤバ!!あり得ねー!!盛り付け方がセンス高高なんですけどっ!!
「うわーー!!めっちゃ綺麗!!すごくないっ!?アタシこんな美味そうなもん初めて見たんだけどっ!!」
「綺麗ですね……。食べるのが勿体ないくらいに……」
「は?食べるが??食べなきゃ寧ろ失礼なんだがっ??」
「あっ、うん。そうだね。食べようか」
「もち!!いっただきまー!」
「あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!?美味ーーーーッ!!なんこれっ!!めっちゃ美味みすごっ!!おかしいだろって!!どんなんなのっ!!ヤバいって!!」
「なんで怒りながら食べてるの……」
「美味しすぎて逆に腹立って来たし!!今までこんな美味な物知らなかったアタシに腹立って来た!!」
「そ、そうなんだ……」
「無限に入ってくって!!ヤバッ!!かかってるシロップもすんげーんだけどっ!!美味すぎ!!あ、一口いる?」
「えっ?」
「ほら、ちょっと食ってみって?口開けろ」
「むぐっ」
「どう?どう?マジヤバないっ?!」
「ん、美味しい……」
「でしょっ!!マージで止まらないからコレ…… ……って」
あ?ちょっと待って…。なんか勢いで誠一郎にあげたけど、このまま食ったら、か、か、か、か、か……間接キッスに…なんねぇ?? ?? ?、、
「あ……、う?おぉ…、ま、なー??」
「うん?鈴木さんの頼んだのすごく美味しいね」
「だ、だ、だろー?!なっ、ヤバだって!!ほー!」
え、う……どうしよう、どうしよう…!気付いたら意識しちまって、手がプルプル震えるんですけどっ!?な、なん、どう、まだ半分くらい残ってるしガチ、不自然になってねぇ??ねぇ!ヤバいって!めっちゃ不審者だって!!
「大丈夫?なんか手が止まってるけど」
「お、お?うん、平気…平気」
ヤバヤバヤバヤバッ!!顔熱っ!!このまま食うのも不自然だし、かといって残すのもなんかヤラしいし!えー!あ、ど、な、あぁ!のぁあぁッ!!どうしよう!どうしよう!どうしよう!!だって誠一郎が口を付けたヤツ……!ほ!ひ、ゅぇえっ、だっ、ま、な!!頭フル回転してっから!!どどどどどどどどどど、どん、どう……!!ど!
「ご、ゴメン……ちょっとトイレ」