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#2 「デートだし!渋谷だし!?」

「ハッアーーー♡東京パねぇ♡渋谷パねぇ♡人いっぱいじゃん?テンションあがるーーーッ♡」


アタシらは電車で小一時間かけて東京に来た訳で、ホントは誠一郎が秋葉に用があるってんだから、そこでお茶しようて言ったけどアタシが洒落たトコがいいってゴネて無理矢理連れて来た!


「見て!すげー!お祭りかよってぐらい人いんじゃん♡渋谷ヤバ!!」



うおお!かっけー!あの人のヘアカラーめっちゃ綺麗に色分かれてんじゃん!!マジテクい!!


こっちの人はアクセバッチバチでいかちー♡



「ね、ねぇ…早く行こう?なんか落ち着かない」

「そぅ?誠一郎がそう言うならいいけど」


アタシ的にはずっと駅でリサーチしてても平気だけどコイツはなんかダメみたい。別に気になるよな事ないのに。変なの。


「んで、どこ行く?どこ行く?渋谷だから店いっぱいあるっしよ?」

「待って、今…調べてみるから…」


誠一郎のスマホを横に並んで覗く。画面に写ってる店の写真は全部バチかっこよかった!


「マジいっぱいあんじゃん!ここよくない?!あっ、ここも!このお店もかわいい!」

「ねぇねぇ!どうする?!どこにする!?」

「あ、あの……」

「ん?なに?」



なんで顔赤けーの?どゆこと?



「どしたん?風邪??体調悪いんならゆってよね?」

「違、違います。あ!ここ!ここにしませんか!」

「敬語マジウケる!初渋谷で緊張してんの?」

「あ、はい…。そう、そうですね。行きましょうか…」


よそよそしいんだけど??なんで?ちょっと傷付くし?あと歩くのはえーし!


「ねぇ!ちょっと待って!はえーし!」

「えっ、あ……すみません」


人いっぱいいんだから離れたら分かんなくなるから!!テンパってんじゃん!!無理に連れて来たのミスったかな。


「ゴメン、ワガママだった?秋葉にする?」

「大丈夫です。行きましょう」


そうは言ってもさ。さっきから顔見てくんねーの地味にダメージデカいんですけど。



やっちまったかな。一人でテンション上げまくって置いてきぼりにしたのは反省してる。


「なぁ、怒ってんの?ゴメンって。無理に連れてきたのは反省してる」

「や、そういう訳じゃ…」

「じゃ、なに?何でちょっと距離感あんの?凹むけど」


「あ、……ゴメン。あの、いつもと香水の香りが違う気がして…それで」




それでっ!!?なにっ!!?はっ!!?なん……?!!あー!あー!あー!そゆこと!?



「それで…何よ?ハッキリ言ってみ?」

「え、え…?それで、緊張しました…」

「ふ、ふ〜〜ん?キライ?」



「いや、かなり……好きな香りかも」


「はっ、おっ、ちょいっ、別に嗅ぎたきゃ好きなだけどーぞ?」




おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい。マジ最高なんだが?!


頑張った甲斐あんじゃん!気合い入れてよかった〜!



「それはちょっと……。人目もあるし」

「遠慮すんなってぇ!!♡」


なんだよーーーっ!!緊張してんの渋谷じゃなしにアタシかよーー♡♡よかったー!!


こういう時なんてったっけ?鳥餅五目??なんだっていいや〜!



「ふっふふっふっふっふーん♡行こーぜ♡」

「は、はい……」


こうやって歩いてっとマジでこの人達、みんなどこに向かってんだろ?すげーよな。


「渋谷ってスゲーのな。マジ人混み」

「そうですね。はぐれないようにしないと」

「それな」


誠一郎の言う通り、はぐれたら見つけ出すの困難じゃね?ちゃんとついてかないと。とはいえ縦に並ぶのは違くね?引率かよ。

それに歩くの早くなってるし…。置いてくなっつーの。


「おーい、早いって。誠一郎。置いてくなっづーの!」

「え、あ。ゴメン……」


ホントに目的が出来るとすぐコレなんだから。離れないようにふんじまってやろうかな。それか手ェ握って…… 手ェ、握る?


いやいやいや。コイツから握ってくるなんてあり得ねーし。な、なら…アタシが… …。




「!?」

「あ、ん?どうしたん?」


「い、いえ…何も」


手の甲でちょんと触れてみたけど、気付いてくれねー。もう一回…。


「!?!?あの、ゴメンなさい…」

「え?あ、うん、何」




なーーーんですぐ手ェ引っ込めるんだよ!気付けよぉおぉおぉ!!


こんなんアタシから行くのは違うじゃんっ!!?



『ゴメン、気付かなかった。離れないように手を握っていようか』ってリードすんのが男の役割じゃん????!!!触れる度にビクッとすんなし!!むっすぅぅぅ〜〜〜!!!炊くわぁ!!



「もう、すぐ……ですね。よかった。ちゃんと辿り着けた」

「っん。…そだね」


「??…なんか怒ってます?」

「……なんも。」


結局!!着いちゃったぢゃんっ゛!!マジ、ふざけんなよっ!ね゛ぇっ!!何で気付いてくんないのっ!鈍感にも程があんじゃん!マジでマジでマジでマジでさぁっ!!あれから何回アタックしてもすぐ手ェ引っ込めやがって!!当たってんじゃねぇ!当ててんだよっ!!もうっ!バーカ!バーカ!!マジで最悪っ!!はぁ…もうヤになってきた。


「あ、鈴木さん。危ないですよ」

「んひ!?」


急に肩グイされて引き寄せられたんだけどっ。


「あ、すみませーん」

「こちらこそ、ありがとうございます〜」



「店員の方ですかね。大きな荷物だったなぁ。行きましょうか」

「ん、分かった」



「……?どうしたのですか?」

「べっつに〜〜…?」


急に男らしくなるなんてズルいじゃん??アタシ守ってくれたって事?マジ格好仕草スマートだったんですけど?!




ん♡許す♡。


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