246-250
246照明の眼球
天井から滴る
白い雨
床に敷き詰められた
黄色い花畑
壁に青い腕
てさぐるその先には
赤い心臓
暗い
明るい
照明の眼球
無色透明な音楽
奏でる遠い記憶
無観客の草原が
なだらかに
崩落していく
247美味しい顔をする
炭酸水にレモン果汁を好きなだけ入れる
美味しい
販売されている同類のものの数倍
美味しい
美味しい顔をする
それはつまり
誰にも知られてはいけない一人だけの
美味しさを隠す
無表情
248雀の舌打ち
猛暑が続き
カメラの甲羅干し
雀の舌打ち
かえるのかっぱ巻
お灸を陶晴賢
熱中症を早口言葉で
稲妻トイレ文の端書
フローラルな風呂のランバ・ラル
猛暑が続く
暑くて生き返りそうだ
249痛い思いをしたい
気球がしぼんで
おっこちて
残念なことになりました
それでは
落下された遺体に一言伺いましょう
痛い思いをしたい
ありがとうございました
また次の機会をご期待ください
250キラキラ星
キラキラ星は
恋の音楽
キラキラネームは
恋の延長線
きららは
読んでない たぶん恋物語
キラ・ヤマトは
自転車のパイロット
後ろ向きで前に進める