スサノー
“
今日はオレンジ色の満月。
月は色々な色彩をくれる。
レモンのように黄色いか、石の様に冷たい灰色のイメージなんだけど、今日の月はオレンジなんだ。
太陽が地平線から昇っていく様に、オレンジの月が地平線から少し出て、ゲームのマリオの様にジャンプをすればタッチできそうな場所にある。
そんな夜は、一日中月を拝めそうで
団子屋さんは大繁盛だろう。
空は夜になると暗くなってしまうから、昔から人類は月の灯を頼りにしてきたんだろう。
でも、暗闇に小さく輝く星々のなかに大きな太陽の映があることは、大きな励みなんじゃないか。きっと虫もその光に向けて鳴いているんじゃないかな。
えっ?暗闇が怖い?ー
ー別に怖いことじゃない。
闇の先には光があるかもしれない。
ずっと昔からそこにあったものさ。
太陽と空の絶妙なバランスが続いてくれれば大丈夫だよ。
優秀な先人が、深い闇に飲み込まれない様に
道標を残してくれているかもしれない。“
“
どれ (◉ɷ◉ )
“
“ん、空というか闇というかから音がする。”
“
バリバリっと。
うーん、月はなんて言っているのかのう。
ニャー
“
“空間を被って、現れたのはスサノー!?”
“いやーバレちまったか。
忍者スサノー、只今参上。
講演会ご苦労さん。”
(はぁ。恐ろしい奴が現れた。彼はイカれてる。嫌いじゃないけど、苦手なやつだ。奴が暴走すると土星のマグマが弾け散って襲って来るんだぜ?くわばらくわばら。)
“や、やぁスサノー。
いや忙しくてさ。
それじゃあ。”
(こういうときはとっとと退散するに限る。
距離感の重要さを教えてくれる先生ということだ。
彼らは深い深い歴史の中の、大地の祭りを司る事が仕事の一つだ。
揺れる割れるの空と大地と音楽のダンス。
ーそんなの関係ねぇ。そんなの関係ねぇー
人々はまるで太陽の中の、陽子になったかのように狂って騒ぎ倒す。そしてどこかの星と交信したりする。そんな祭りは、広い世界でいくつも見る事が出来る。それに関わっている偉人というわけ。)
ツクヨミはいそいそとスサノーを背にした。
オレンジ色の月を背に、鳳凰座のアンカーがキラッと光る。
“ウドゥントビーナイス”
乱れない調律が流れているかのようで、月も楽しそうだ。