表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日記、及び日々思うこと  作者: ダークネスおまんじゅう
2/2

幸せになりたいのなら

 幸せになりたいのなら、僕は間違い続けているのかもしれない。

 そう思うようになって、ずいぶん経つ。


 初めてそう思ったのはいつだったか、それは定かではない。ただ、切欠はYOUTUBEでお金持ちになる方法だとか、そんな動画を見た時だったと思う。金持ちになりたいなら労働はするな。そんな内容だった。


 大学生のころ、お金がなかった。大学は家から遠く、平日に働くのは現実的じゃなかったから休みの日だけ働いていた。どうしてもバイトできる日は限られていて、だからいつも財布の中には大した額は入っていなかった。先にバイトを始めた友達からは、小遣いとは桁の違うバイト代が入ると金銭感覚が狂うなんて言う奴もいたけど、僕は大学を卒業するまで結局そうはならなかった。


 社会人になればお金に不自由しなくなる。もっとお金が手に入る。そう思って働き始めて、かれこれそれなりの年数が経った。もらえる金額もそれなりになった。そして思う。

 もっと欲しい。


 サラリーマンとして働くなら皆が思っていることだ。将来の不安をなくすために、動けなくなった時のために、お金はいくらあっても困らない。だからもっと欲しい。昇給を望み、賞与を望んだ。貯金を増やしたい。安心したい。

 お金持ちになりたい。


 そのとき、いつか見た動画を思い出す。

 金持ちになりたいなら労働はするな。


 試したこともないし、試した友達もほとんどいないから分からないというのが本音だが、まあそうなんだろうと思う。僕たちは働きながら金持ちになることを夢見ている。だけど、そうしたいのなら最初っから間違えているのだ。目の前の仕事をこなすのではなく、事業を起こしたり投資をしたりと、根本的に違う稼ぎ方をしなければならない。サラリーマンはどこまでいっても『他人が稼ぐことのお手伝い』に過ぎない。無論それと引き換えの旨みはあるが、それは主題ではないからさておく。


 このお金の稼ぎ方と同じことが、幸福にも言えるのではないか。

 幸福とは何か。人は何があれば満たされるのか。そういう類の本をよく読むようになって、どの本でも共通して挙げられている要素があった。


 人間関係と自発と余裕だ。

 家と会社の往復だけでは人生は味気ない。人に言われてやるだけでは仕事は面白くない。誰に言われるでもなく、自分でやることを考え、近くの人を思いやって生きる。休日に友達と会い、ゆっくりと話す。ただこれだけ出来るなら、人生はそれなりに幸福だ。


 だとしたら今の僕の生活はどうだろうか。お金を稼ぐという意味なら学生の頃よりもはるかに上手くいっている。なんとなく思っていた年収の壁も気が付いたら超えているし、休みだってまあまあある。ただ、ひたすらに振られる仕事に忙殺され、平日はへとへとになって僅かな自由時間を過ごしたらもう寝る時間だ。ようやく休日になっても平日の疲れでフル稼働できない。少し外出したら気疲れして寝込んでしまい、あっという間に休日が終わる。最近は平日休日問わず、毎日のようにため息とともに「疲れた」と口にする。


 幸せになりたいのなら、僕は間違い続けているのかもしれない。

 お金がなくては生活できないが、時間や人間関係がなくては幸せになれない。だというのに、

僕は黙々と会社に行き、ひたすらに降り積もる仕事で消耗していく。家に帰れば気楽に話せる家族がいるから多少はマシになるが、本当にこれが正しい『幸せな』生き方なのかと疑わざるを得ない。かといって会社を飛び出すほどの代案もない。


 どうしたもんかなあ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ