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第94話

「ケイティ様この星のことをご存知で?」


「いえ、失礼ながらまったく存じません」


「そうですか」


 しょんぼりするクラウスキーさんにメンクロスが、美しい星ですねとやんわりフォローを入れる。破顔したクラウスキーさんは大きな建物に案内し、ガイドしてくれた。そこはこの星の歴史を刻んだ資料館だそうだ。こんな近くにそんな建物があるとは意外だ。立派な建築物で時代性を感じるし、どこか凛とした強さを併せ持っていた。設計の水準が高いのだろう。優秀な建築家の作品に違いない。メンクロスは美しく微笑み、高揚感を得た。


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