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第51話
「母の言葉です」
「は?」
メンクロスは素っ頓狂な声を上げてしまったことを後悔した。悔やんでも悔やんでも悔やみきれない。とか悲壮感を一瞬漂わせ、スッと無表情モードに一新し、よし、とか思う彼。
「男なら面と向かって告白しなさい。まあ、私は女ですけど」
とはケイティに言われた者のそうやすやすと容易には口に出せないというか口に出さない。どこか聖域めいたものが告白なのではないかとメンクロスは心のどこかで思っていたい。それに王族がそんなことをあっさり告げてははしたないのでは、いや、そうだ、しかし、このままではずーっと幼馴染で永眠することにもなりかねない。