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第20話
「ネイラーさん、どうします? 挟み撃ちとかどうですか?」
「いいな。というか、高い位置を維持されると厄介だ。そうだ、米食いコウモリは冷いのが苦手だったな。わかるか?」
「合点です」
しだいに室内の温度が加速度的に下降を推進し始めた。冷房の温度を減衰させ、相手の動きを鈍くし、仕留めやすくするための行為だ。冷風は天井から下方に向かって吹き付ける。普段はここまでしないという温度だ。防寒着を着用した倉庫係たちは電気サーベルを瞬かせながら敵の弱体化を待機した。吐く息が白い。冷凍庫にでもいるみたいだ。