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第17話
ネズミにしては不自然で白い袋の端が刃物で切られたようになっていて、その下方には数十粒の特殊米がまばらに落ちている。その隣にも。その隣にも。ネイラーは犯人探しを始めた。何者かが少量の特殊米を奪取している。しかも、足跡ならぬ米跡を残して。ネイラーは腰の電気サーベルを抜き、刃部を実体化させた。ぶうんと羽音のようなものが唸る。
まだ、この先にも続いている。誰だろう? ここにも落ちている。人の仕業だろう。壁にたどり着いたネイラーは辺りをうかがう。そして上方に目を向けると、天井から米粒がポツリとネイラーの額に落ちた。米食いコウモリだった。いつの間にか忍び込んでいたのだ。