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魔法世界の最強剣士  作者: 夜本なつ
3/13

2話 時を経て

 約5000文字書いてまだ人物名一回も出てこないんですねこの作品。


 まだ地の文が多くなるのはご容赦を〜。


 生まれてから一年弱の時間が経った。


 結果から言えば魔力成長は、使い切ってから回復する時に増える、ということで正解だった。

 若い子は魔力成長が早いと聞いていた通り、現時点でもかなり自分の中の魔力が増えていることがわかる。

 魔法が一般的になっているなら、今のうちにできるだけ魔力を増やしておいて損はないというか徳しかないだろう。

 魔力が増えるのはいいが増えるほど消費するのに時間がかかるのと、魔力がなくなった時に気絶するのはかなり難点ではある。

 まあ時間はあるし安全は確保されているので困ってはいないのだが。



 一年も経つと体もそれなりに成長して、練習の成果もあり実はもう喋れるようになっている。あまりにも早いうちに喋りでもしたら怪しまれるかと思い、まだ人前で喋ってはいないのだが。最近は親前でなにをを最初に喋ろうかと考えるのがちょっとした楽しみだ。


 そしてそう。ついにこの世界の言葉がわかるようになったのだ。

 言葉が分かるようになってからはかなり情報が入るようになった。


 まず今世での私の名前は、アレク・ケルヴィンというらしい。おおむね私の推測は正解で、兄を二人持つケルヴィン子爵家の三男だ。

 父はサンドリア・フォン・ケルヴィン。子爵家当主で赤髪金眼のかなりの美形だ。この血が強く受け通がれて私もイケメンになることを願うばかりだ。

 母はフレン・ケルヴィン。青髪蒼眼でふわふわとした雰囲気の美人さん。青髪は前世では魔力が特に多い、魔法使いの特徴として有名だったのだが今世はどうなのだろう。

 長男はフレッド・ケルヴィン。父似で赤髪金眼で、年齢は正確にはわからないが、まだ幼い。自由に歩き回っているところを見るに六歳か七歳くらいか?

 次男はゲイル・ケルヴィン。母と同じで青髪蒼眼。フレッドよりも小さく、三歳か四歳だろうか。このくらいの年齢が一番何事にも興味を持つ歳なのは分かるが、私のことを叩いたり引っ張ったりするのはやめてほしい。


 この時代には「鏡」なる世界を反射する板がるらしい。前世で自分の姿を見るには水に映る自分の姿か、魔法使いに魔法を使ってもらうしか手段がなかったのでこの鏡というものを見て驚いたものだ。

 鏡に映る私は父と同じ赤い髪と母と同じ青い眼をもつ、ちょうど両親の血を半分に割ったような見た目をしている。

 自分の姿を見て改めて自分は生まれ変わったということを思いしらされる。

 ……赤ん坊姿の私、可愛いな。


 私は前世で剣を極めた名もない剣士なのか、この世界に生まれたアレクなのか、成長していくといつかその乖離性に悩まされるんだろうな、なんて楽感的に考えながら、日課である魔力垂れ流し作業を終え、眠りについた。




 前述したように私もそれなりに体が成長して、自分の意思である程度は動けるようになった。

 そして、今私は、この部屋から抜け出そう大作戦を決行しようとしている。


 一度、思ったよりも動けることに気づいた私は部屋を抜け出そうとしたのだが、籠を出る前に部屋にいる使用人に止められてしまった。

 しかし、幸運なことに私が目を覚ました時からアメリアと呼ばれている使用人がずっと寝ている。その上今は夏季だから部屋の扉も空いている。

 ……完全に今しかない。


 籠の中で一度うつ伏せになり、籠の端を手掛かりにしつつ立ち上がる。籠がかなり大きいベッドの上にあることを確認して、籠を倒すようにして脱出する。

 ベッドの上をはいはいで移動して、次の壁がベッドから降りることだと確認する。


 大人からすればたった腰くらいの高さだが、それも赤ん坊から見たらかなり危ないものに変わる。

 ふむ、ここから降りるにはどうしようか。手はまだ発達していないから使えない。どうしたものか。


 考えても埒が明かないからとりあえず落ちるか?

 あ、体に魔力を纏って強化しておけば負担軽減くらいできるか?


 生後数日から魔力を増やし続けたアレクの魔力はかなり量を増している。

 アレクが思っている以上に赤ん坊の魔力成長率は凄まじく、赤ん坊時点で一年近くも魔力を増やし続けたアレクの魔力は平均的な魔法使いと同じだけの魔力を保持している。


 ここを乗り越えればあとはそんなに危険はないだろう。

 うむ、念には念を込めて少し多めに魔力を込めておこう。背中から落ちるとして背中には特に厚く魔力を張っておく。


 剣を極めたとは言っても痛みに強くなったわけじゃない。強靭な精神や全能の知恵を手に入れたわけでもないのだ。痛いものは痛いし辛いものは辛い。痛いのを払い除けるだけの肉体も今は持ち合わせていない。

 あー、多少痛み緩和されるだろうが痛いんだろうなー。怖いなー。


 ベッドの端に手をかけてゆっくり、できるだけゆっくり落ちるようにして、背中に魔力のクッションをイメージして背中から落ちる。頭をできるだけ抱えて手はお腹。背中だけが地面に当たるようにして痛みを待つ。


 ——ドスンッ!


 ……痛かった。

 前世の経験から身体強化は「体を強くする」というより「運動能力を高める」の方が近いと知っている。

 知ってはいたが、その、痛くないことを期待してしまう自分がいた。


 って違う使用人が起きてしまう!気づいたか?


「あ、あれくさま……そんあ、はじめてのことばがあめりああんて……へへへ」


 何を考えているんだこの使用人は……


 ま、まあ今に関しては好都合だ。

 最近は魔力消費に時間もかかるようになってきたし、身体強化を少しかけながら移動しよう。


 部屋を出ると左右両側に廊下が広がっている。右か左、どっちに行こうか。この廊下から繋がる部屋はおそらくどこも同じような部屋だろう。私はできれば書庫に行きたい。

 子爵……貴族制度があるということと今まで見てきた世界を見るに、前世と文明レベルはあまり変わっていないと思う。そう仮定すると、本の存在と本は高価であること、貴族は金持ちであることもおそらく変わっていない。

 子爵家ともあれば書庫か本を集めている部屋くらいはあると信じて家の中を歩き回る。




 体感十五分ほど歩き回るとお目当ての書庫を発見した。

 階段を使わなくて済んだ上に、十五分も家の誰かに出会わなかったのは我ながら運がいいと思う。私の部屋は二階で、下の階から声が聞こえた時はかなり焦ったものだ。


 そしてはいはいで移動するの、すごい疲れる。体力的にもきついし、筋肉痛もひどい。こんなに動いたのは生まれて初めてだ。生まれて、初めてだ。


 書庫の中に入り、高い所には手が届かないので、一番低い位置にある本を一冊取り、表紙にドラゴンの絵が描かれているのを確認する。この本は何度か母と使用人に読んでもらったことがある。

 むかしむかし、勇者が賢者、格闘王、剣聖とともに悪いドラゴンを討伐するまでを出会いから絵と共に綴った子供向けの絵本。

 初めてこの絵本を言い聞かせられた時、どこか聞いたことのある物語だと思ったが、何故だろうか。

 本を開いて文字を見て見るものの、やはり読めない。隣の魔法陣が表紙に書かれている本を引っ張り出す。

 この本ももちろん何が書いてあるかわからない。


 うーむ、どのように文字を覚えようか。内容がわかっているドラゴンの絵本から少しずつ文字を覚えて行こうか。

 おそらくもう何年か経てば文字の勉強はするのだろうが、今のうちに文字を覚えられれば、文字を勉強する時間を他に当てられる。

 前世でも特別頭が良かったわけではない。せいぜい文字を読んで多少の計算ができたくらいだ。

 だからこんな学者まがいのことは本来難しいのだが、喋り言葉がわかっている状態なのと、赤ん坊特有の学習能力があれば不可能ではないだろう。



 ————ここは確かああ言ってたから、じゃあこっちの本のここ「まほうとまじゅつの——」か?その次はまだわからんが……うん、多分合ってるな。じゃあこっちは……


「アレク様!どうしてこんなところに!」


「あ、やべっ」


 本に集中しているうちにかなりの時間が経っていたらしく、部屋にいなかった私を探しにきたらしい。

 本を見ていることを不審に思われるだろうか、と思っていたがアメリアは驚きに満ちた顔をこちらに向けている。


「あ、あ、あ——」


「どうした?」


「アレク様がおしゃべりになりましたわよご主人様ー!」


 あ、やべっ。


 この主人公は前世で剣を振り始めた時、十五歳の時から精神年齢は止まっています。剣を振るのに考えることは無駄だと考えたのでしょう。だから少年っぽいというか、おじいさんらしくない言動、思考をします。


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