200文字小説集 vol.2 サービス(200文字小説) 作者: 日下部良介 掲載日:2020/06/01 古い付き合いの友人が店を開くと言う。 「土産でも持って顔を出すよ」 「それは嬉しいわ」 寿司でも摘まみながら昔話でもするか。 開店当日店は混み合っていた。 「凄いな」 「おかげさまで」 交わした会話はそれだけだった。 土産の寿し折をそっと手渡して早々に引き上げた。 『今日はごめんなさい』 そろそろ寝ようかというときにメールが届いた。 『今度は貸し切りにしてあげる』 『高くつきそうだ』 『サービスするわ』 それが一番怖いんだ。