用語解説
(注1)尻叩きのスタンディングスタイルには大きく分けると和太鼓演奏形式(台座に男を乗せ、その尻を叩くもの)とボンゴスタイル(立ったまま前屈状態になった男の尻を上からたたき下ろすもの)の二つが存在する。
(注2)クラウチングは競技であるスポーツ尻叩きにおいて中々採用され辛いものである。しかしドラムの代わりにケツを叩く「ドラムスタイル」を採用した音楽バンドを、テレビや動画サイトで一度は見たことがあるのではないだろうか。
近年では障害を抱えた演奏者のための大会も多く開かれており、目にする機会は多くなっていると言える。
(注3)ケツ・ハウリングとは尻を叩いたときに、演奏者が出したいと思っている音(尻をしばく音以外)を鳴らす現象である。一説には尻が共鳴しているからと言われているがはっきりしていない。
この現象を起こせる演奏者は非常に限られており、また、発生条件もかなりシビアなため超自然的現象と位置付けられる事が多い。
長年ケツ・ハウリングの研究を行っている国立アメリカ尻叩き音楽大学の教授アス・ブレッド(尻叩き研究第一人者)はケツ・ハウリングによって猿の声を聞いた際「まるで尻の中に一つのジャングルがあるのかと錯覚した」と述べている。
(注4)スポーツ尻叩き競技規則B・102項(2015年改訂)
演奏者はステージ上で叩かれ役、または審判並びに尻に話しかけてはならない。また独り言も減点対象とする。
2015年の改定以前は独り言、または尻と話す行為は許されていた。しかし参加者の一部から「尻と会話できない演奏者にとって不公平なルールだ」との指摘が相次いだため一律禁止となった。
ちなみに本作で主人公は尻と会話しているが、テレパ尻によって会話しているので審判には聞こえていない。
(注5)スポーツ尻叩き競技規則B・32874項
審判の合図なしに尻を叩き始めてはならない。一度目は警告。二度目から5ポイント減点される。なお、尻叩きが近代において競技化される前、この罰則を犯したものは聴衆たちからよってたかって尻を叩かれていた。これは尻ンチの語源として有名である。
(注6)尻風とは文字通り尻叩きによって起きた風のことである。とは言えスポーツ尻叩きにおいて強風が発生することは稀であり、せいぜいそよ風並みである。
だが1872年、フィンランドの尻叩き家だったオトデ・カイマンは当時付き合っていた女性に求婚するため尻叩きを行った(当時から求婚に尻を叩く行為は庶民の間にも浸透していた)。しかし彼は張り切りすぎるあまり強烈な尻風を起こし、村を半壊させてしまった。幸い死者は出なかったものの、村人の大半が精神衛生上の問題を訴え病院に搬送された。カイマンもふられた。
(注7)両手で同時に尻を叩く演奏法のこと。何よりも大きな音を出したいときによく使われる手法である。
(注8)テレパ尻とは、尻を叩く側が頭に思い描いたイメージを、尻を介して聴き手に伝えることである。
ケツ・ハウリングと混同されがちだが、この二つは全くの別物である。
ケツ・ハウリングが直接、いわば物理的に尻とは別の音(例:プラネルトのピアノ)を響かせるのに対し、テレパ尻が伝えるのはあくまで「イメージ」である。
例えばテレパ尻を使える者が、頭の中で海辺の町を思い描きながら尻を叩けば、聴き手は実際に海辺の町を連想する。
これは叩き手の表現力に大きく依存する技術だが、世界大会では程度の差はあれどほぼ全員が使いこなすことが出来る。
また、テレパ尻は離れた場所にいる相手と通話する手段として、電話の先駆けとして発達した技術でもある。現在でも災害時にはよく男の尻を叩きながら話しかける人の姿が見られる。
(注9)1934年、H県の山間集落で巨大な旧石器時代の遺跡が発掘された。遺跡は丸尻遺跡と名付けられ大規模な調査が行われていた。そして二年後の1946年、尻を叩き合っている土偶が出土したことが日本史を根本から覆す事態となった。
旧石器時代より日本でも尻叩きが行われていたことが判明したからである。
なお、この丸尻遺跡の一件はセンター試験でもたびたび出題されるため、土偶の出土した年度を「行く尻、来る尻、丸尻遺跡」の語呂で覚えている生徒がたくさんいる。