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新装備と新スキル

後半に掲示板ネタがあります。

苦手な方はご注意を。

 装備を整えて再び南門へ。

 流石に時間が経っていることもあって最初に来た時よりは人が増えているものの、それでも4つの門で一番難易度の高い南側は比較的空いている。

 途中、リンちゃんがファンと交流したりしている間もウルフと戦っていた私は、装備の違いを如実に感じていた。


 どうもこのゲーム、武器の重量がある程度ダメージの計算に組み込まれていて、表記上の攻撃力以上にダメージを与えられるみたいで。

 木製の棍棒と金属の金棒では当たり前だけど重さが全然違う。

 見た目的にも、要求筋力値的にもね。

 その分取り回しにも技術が要求されるけど、もう慣れたからそこは問題ないのだ。



「せいっ!」


 飛びかかってくるウルフをすれ違いざまに叩き飛ばせば、HPを一瞬で削り取られたウルフは空中でポリゴンと化して消えていく。

 少なくとも2発は必要だった攻撃も、レベルを上げ武器を変えただけで随分と強化されたみたいだった。


「あははははっ」


 装備の重さが心地いい。

 SPはその分減りやすいけど、待てば回復してくれる。

 一瞬の加減速でも少量消費されるあたりは細かいなぁと思いつつ、後ろから首を狙ってくるウルフの上顎を掴んで右から襲ってくるウルフに叩きつける。

 怯んだ二頭をモグラ叩きのごとくコンパクトに叩き潰した私は、表示されたリザルトを確認して息を吐いた。


「次はー……あっちに5匹見えるなぁ」


 平原の奥の方、《果ての森》が見えるくらいまで来た辺りから、ウルフは単体では出現しなくなった。

 一つの群れは3から10匹。多くなればなるほど出現率は下がる。

 それでもたまには出てくるもので、10匹同時に襲ってきた時は少し興奮してしまった。

 

 手の届く範囲にいるウルフの群れを見て、石ころをぶつけて呼び寄せようかなぁなんて考えていると、不意にリンちゃんから声をかけられた。


「スクナ」


「ん〜、なぁに?」


「今、楽しい?」


「……うん、楽しいよ!」


 返事と共に山なりに投げた石ころが、30メートルほど離れたところでたむろしているウルフの1匹に当たる。


 ヘイトは取れたから、後は全員ぶっ倒す。

 1分後、最後の1匹がポリゴン片になるのを見届けて、私とリンちゃんは再び獲物を探し始めた。





「あ、そう言えばナナ、《探知》スキルって取った?」


 そろそろウルフスレイヤーとか名乗ってもいいんじゃないかな。

 そう思うほどにウルフの群れを狙って狩りをしていると、配信コメントと戦っていたリンちゃんが今思い出したといった様子で話しかけてきた。


「え? 取ってないけど」


「レベルが10を超えるとステータスにスキル枠が増えるでしょ? ちゃんとガイドも表示されるはずなんだけど」


「あ、レベル7からステータスちゃんと開いてないや」


 そんなことを言い出した私にリンちゃんは呆れたような目を向けてくる。

 装備を整える時に能力値をざっと確認するくらいのことはしたけど、スキルまでは目を通してなかったな。



――


PN:スクナ

Lv:13

種族:《鬼人族》

職業:

所持金:17820イリス

ステータス

HP:195

MP:15

SP:104

筋力:35 +15

頑丈:28 +20

器用:48 +2

敏捷:41 +2

知力:3

魔防:3

幸運:34

残りステータスポイント:30

装備

武器:金棒

頭:鉄板の鉢金

胴:鎖帷子

腕:鉄板の篭手

脚:ベルト付きの革ズボン

靴:鉄板のグリーブ

スキル

※スキルの選択が可能です

《打撃武器》熟練度:35

《投擲》熟練度:20


――



「これかな」


 スキルの選択が可能ですと、意味ありげに点滅している文字をタップすると、初期設定の時に提示されたリストに比べて遥かに多くのスキルが表示される。


「《探知》スキルはなんで必要なの?」


「スクナ、予定だと明日は南の平原の先にある《果ての森》に挑むでしょ? あの森の中はね、とにかく見通しが悪いのよ。しかも不意打ちとかいっぱいしてくる感じ」


「虫とか?」


「どちらかと言うと蛇ね。木の上から不意打ちで毒攻撃を仕掛けてくるの。だから、《探知》スキルは取っておいた方がいいわ。フィールドでも擬態とか潜伏してるモンスターを炙り出せるから、有用なスキルなのよ」


 なるほど、と私は言われた通り《探知》スキルを取得した。


「あと1個選べるみたい。……あ、《片手用メイス》スキルが解放されてるよ!」


「埋めちゃっても大丈夫よ。スキルはセットしないと発動できないけど、1度上げた熟練度は下がらないし、その構成は何回でも入れ替えられるの。でも、あまり多くのスキルを取ろうとすると熟練度が疎かになるから、自分のスタイルはある程度確立しなきゃダメよ」


「なるほど、枠が少ない代わりに自由にカスタムできるってことかぁ。このスキル枠も今後増えていくの?」


「レベルが10上がる毎にひとつね。最初だけ2つ増えるけど今後はひとつずつよ」


 つまりレベルが10を超えたからスキルの枠が2つから4つに増えたのだろう。次は20になった時で、ひとつだけ増えると。


 正直な話、《打撃武器》と《投擲》の2つでも熟練度上げはかなり大変な思いをしてる。

 下手にスキルを増やしまくっても熟練度が疎かになるというのは事実なのだと思う。

 恐らく私よりずっとレベルが高くてスキルも充実しているはずのリンちゃんは、どんなスキル構成なんだろう……。


「そういえば、リンちゃんって今何レベルなの?」


「私? 47よ」


「……47?」


「ええ。スクナなら2週間もかからないと思うわ」


 いくらトッププレイヤーとはいえ、ちょっと想像を超えていた。

 もしかしてリンちゃん、私の想像以上にこのゲームをプレイしているのだろうか。

 だって、レベル上げって言うのは上に行けば行くほど困難になっていくものなのだ。

 1日平均3以上のペースで上げてるってどういうことなの……?


「ねぇ、リンちゃん。このゲームの最高レベルっていくつくらい?」


「さぁ? 確かなのは100じゃないってことくらいかしら。公式PVを見る限り、だけどね」


 私がやったことのあるゲームは大抵100がMAXだったんだけど、どうやらこのゲームは違うらしい。


 さて、リンちゃんとの2週間の差を埋めるのに、どれだけのレベリングを重ねなければならないのだろう。

 仮に私が2週間かけずにレベリングを終わらせたのだとしても、その間にさらに先へと進んでるわけでしょ?

 私がリンちゃんに課せられた「トッププレイヤーへの道」は、想像以上に過酷なのかもしれない。


「あ、ステータスポイントも余ってる。貯められるとはいえ、いちいち振らなきゃいけないのめんどいね」


「そういうステータスビルドを考え抜くのも楽しいものよ?」


「そうかなぁ。とりあえずキリよく10ずつ分けちゃお」


「別に間違ってはないんだけど納得いかないわね……」


 筋力、器用、敏捷の3ステータスに10ずつポイントを分けて振る。

 どの程度体が動くのかは把握出来ているけど、だからこそ現実の体に比べるとまだぎこちないのが分かる。


 そのぎこちなさが抜けるまでは、器用と敏捷は常に上げていく必要があるだろう。

 最低でも、現実との齟齬がないくらいにはしておきたい。


 筋力に振ったのは火力の底上げと言うよりは、武具の重量・装備制限に筋力が大きく関わっていたからだ。


 重装甲にしたい訳では無いけれど、リンちゃん曰く打撃武器系統の強武器はその分大きな筋力を要求されるし、近接職の防具も同様だとの事。

 鬼人族の筋力値は伸びやすい。

 その上で、今後もっと重く強い武器を装備するなら、自力でも伸ばしておかねばならないだろうと思ったのだ。


「今のところ、どんなステータスになってるの?」


「筋力器用敏捷にまんべんなく振ってるよ。割合は器用が一番高いかな」

「まだぎこちないの?」


「多少マシかなってくらい」


 私の返答を聞いて、リンちゃんは先は長そうねと呟いていた。


「そろそろ狩りを再開しましょ。あと2時間あるから、帰りに1時間かけるとしても結構狩れるでしょ」

「あとひとつレベル上げたいけどどうかなぁ」


「プレイヤー増えてきたし、ポップ量的に厳しいかもね」


 レベル差がついてきたからか、ウルフ狩りではもうあまり経験値が貰えない。

 

 せめてもの楽しみとして大きな群れを狙ったり、リンちゃんが暇だからという理由で大魔法を使ったり、何やかんやで楽しく盛り上がるのだった。







【打撃こそ】リンネ総合スレ898【暴力】

1:名無しの輪廻民

ここは《HEROES》所属のプロゲーマーでありプロ配信者、リンネの総合スレです。

基本的に話題は自由、アンチはNG推奨で。



――



442:名無しの輪廻民

結局のところスレ民的には鬼娘はHEROES所属でいいってことなの?


445:名無しの輪廻民

>>442

俺はいいと思う

あそこまで動けるとは思ってなかった

アレ多分運動神経だけでやってるよ


446:名無しの輪廻民

いんじゃね

HEROES自体はデカい団体だけどVR乗り遅れて人集められないんじゃん?

リンネの伝手で有望なの拾ってきたのはむしろ有難いくらいだろ


448:名無しの輪廻民

VR部門自体が幅広いからね

ナナたゃん一人くらいコネってもまだまだ足りないくらいだと思う

万能選手っぽいしVR部門のエースになりうる人材だよ


450:名無しの輪廻民

>>448

たゃんってなんだよ(素朴な疑問)

実際VRっても格ゲーFPSロボットRPGと幅広いかんな

改めてVRの有無にかかわらず全てで好成績を残してるリンネの化け物具合がわかる


451:名無しの輪廻民

>>445

それVR慣れしてないってこと?

尚更バケモンだな

VR慣れしたらどうなっちゃうの


453:名無しの輪廻民

リンナナ尊い


454:名無しの輪廻民

わかる


458:名無しの輪廻民

しかし初日に難易度高いエリアでレベリングとかリンネも相当スパルタだよな


460:名無しの輪廻民

>>458

まあな

ぶっちゃけウルフ数体に囲まれたら初心者なら即リスポンものだし

軽々蹴散らしちゃうナナたそがおかしいだけで普通の人なら10回はデスしてるよ


462:名無しの輪廻民

千尋の谷に突き落としたら羽根生やして飛んできましたみたいな軽快さで苦難を乗り越えるな


465:名無しの輪廻民

ま、今のところナナたゃん本人は少し狂のケがある以外はリンネと楽しくお話しながらゲームしてただけだし様子見やね

明日はナナたゃんソロ配信らしいから楽しみ


469:名無しの輪廻民

>>465

ソースはよ


471:名無しの輪廻民

>>469

某動画サイト

認定アカウントあるよ

リンネと《HEROES》公式がフォローしてるし間違いない


475:名無しの輪廻民

>>471

見てくる

サンクス





【打撃系】ナナ/スクナ総合スレ1【鬼娘】

1:名無しのファン

ここは《HEROES》所属が発表され、遂にベールを脱いだナナもといスクナの総合スレです。

なるべく穏やかに話し合いましょう。


2:名無しのファン

>>1乙

やはり立ったか


3:名無しのファン

>>1乙

配信終了までNGだったからね


4:名無しのファン

>>1乙

いやぁ凄かったな

棍棒一つで暴れ回る勇姿は


7:名無しのファン

結局10時間みっちり放送やってたな……


9:名無しのファン

レベリング後半はすごい楽しそうだったな

鎖から解かれた猛獣みたいな


11:名無しのファン

>>9

言い方ァ!

まあ楽しそうではあったよな


14:名無しのファン

どんな体勢からでも的確に頭蓋を叩き潰す姿は圧巻でしたね


16:名無しのファン

>>14

アレは凄かった

しかも装備がほぼ鉄入り

鉄装備は重量がキツくて序盤は2部位がいいとこ

それを鬼人族のステで補ってんだよな

やっぱああいう尖った種族も面白いわ


18:名無しのファン

>>16

魔法ステが壊滅的なんだっけ

その分物理特化と


魔法使えないのを投擲で補って

武器は使い易い棍棒選んでる

見たとこ頭は良くなさそうだけど考え自体は合理的だよな


21:名無しのファン

頭良くなさそうはさすがに笑う

そこはリンネの入れ知恵かもな


22:名無しのファン

5年くらい前の配信でリンネがポロッと漏らした情報だが

リンネ曰くナナは中卒でフリーターやってたはず

知識面ではまあ……な


24:名無しのファン

>>22

プライバシー!

てか5年前のことよく覚えてんね

女の子が中卒フリーターって今どき凄いな


28:名無しのファン

あ、ナナの公式っぽいライバーズアカウント見つけた


29:名無しのファン

マジで?

HEROES仕事はええな


31:名無しのファン

ほんとだあった

リンネが公式より先にフォローしてるの笑うわ


33:名無しのファン

唯一無二の大親友(事実)っぽいからなぁ

他のHEROESメンツといる時もにこやかではあるけどナナの隣のリンネはかつてないほど気が抜けてたな

不覚にもときめいてしまった


36:名無しのファン

>>33

その内HEROESで修羅場らないかな

リンネスキー多いもんあそこ


40:名無しのファン

骨肉の争いになりそう


46:名無しのファン

明日は朝の6時過ぎから果ての森探索配信やりますByナナ

やったぜ


48:名無しのファン

>>46

朝6時は早すぎませんか……休日とはいえ……


49:名無しのファン

>>46

絶対観るわ

おやすみ


51:名無しのファン

>>46

2日目からとは思い切ったな

楽しみだ



――

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[一言] 掲示板どんとこいです。 掲示板ネタはもっとあっても良いくらい。
[気になる点] 単独配信とかしたらやらかしそうなんだよねぇ
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