エリシアその4
倒れたと聞いた〈六の剣〉に私室に向かうエリシア。
こんこん戸を叩くと「〈六の剣〉!!!。」勢いよく扉を開けるエリシア。長椅子に着座して、ミラの淹れたお茶を優雅に飲んでいる〈六の剣〉。「エリシアか!」いつもと変わらぬ態度。エリシアの後に顔を出したマリアナにミラが、睨みつけた。「あっ!」小さな声を上げると、しゅんとなるマリアナ。きょーとん首を傾げるエリシア。「エリシア!部屋に戻って良いわよ!。」ミラの声に「う、うん!。」ちらりー〈六の剣〉を見る。「ミラ!エリシア達にも…茶を淹れてやれ!。」「はい!。」立ち上がり、戸棚から木のこっぷをだすと二人にお茶を淹れ差し出す。
〈六の剣〉の横に立ちながら飲む二人。「エリシア!お前も嫁に行くだな。」「「う、うん!。でも今回は、婚約だけだから」姉の希望で、カイルとの婚約だけ行う事になった。結婚は、一年後の予定。「お前の花嫁姿を見れないのは、残念だ。」「〈六の剣〉!?。」「俺もそろそろ…名を譲る頃合いだ。」「?!。辞めるの?!。」「あぁ!。」「〈剣〉じゃぁなくても、私が、招待状を送れば…見れるわよ!。」ふっ!口元を緩ます〈六の剣〉。「マオを正式な〈次代〉するのが、先だがな!。」「!?。」「エリシア!一緒に…夕食を取ろう!。」「えっ!。う、うん!。」ちらりー〈六の剣〉の隣に座るミラを見る。「マリアナ!着替え…手伝って上げて!。」「は、はい!。行こう!」「う、うん!。」名残惜しそうに部屋を後にするエリシア。
「〈六の剣〉様!。本当に!教えなくていいのですか?!。」「あぁ!。あいつを悲しませたくない。」沈痛な面持ちのミラ。「ミラ!そんな顔をするな!。〈剣〉としての宿命だ!。」そっと抱き寄せる「………はい!。〈六の剣〉様!。」身を委ねながら複雑な表情見せるミラ。「苦労かける!。」目を伏せているミラ。