日常
慌ただしく始まった…侍女としての生活。目新しい…新鮮な日々。エリシアは、一生懸命頑張る。
慌ただしく始まった新生活。日々…格闘の連続。だが、エリシアにとっては、目新しい日々。ただ…姉サミエリアの容態が、気になる。元々…体が、弱く…寝ている事の多い姉。〈セアムナール〉に来てからは、月に一度…〈オーブ〉による近況報告を受けていた。このところ…体調が優れず…寝たきりになっているとのこと。心配で、たまらないが、帰る事は…出来ない。嫁家したことは承知済み。それでも…家の…王家の復興は、エリシアに掛かっている。
「はぁぁぁ!!!。」深い嘆息をつくエリシア。何とか…〈魔王シセリウス〉のお気にいりになる方法はないか?あれこれ…思案するも全く駄目!!!。早く…吉報をもって帰りたいのに!!。姉を一刻も安心させてあげたいのに!!。空回りの日々。時間だけが…容赦無く過ぎていく。
「はぁぁぁ!!!。」深い嘆息が、漏れる。「どうしたの?!。」リルが、傍に寄ると、小首を傾げ、聞く。
「えっ!………ええぇ!!!。」思わず…仰け反るエリシア。リルが来たのが、全く…分からなかった。
「お姉さんの容態…悪いの?!。」「……。」どう言えばいいのか迷うエリシア。無言が、リルには、答えに成ってしまった。「…〈六の剣〉様にお願いしたら?!。」一間…間を置いて心配そうに言うリル。そうしたいのは、やまやまなのだが、何の成果もなく帰る訳には、いかない。
「家の事…あるの?」リルの的に入った問いに…「う、うん!!。……姉さんを…安心…させて…あ、あげたい…だけど………。」言葉を詰まらせながら答えるエリシア。
「ミラの所も大変みたいだけど…」「?!。」小首を傾げるエリシア。「今度…双子の男の子が、生まれるのだけど、既に!姉の第一王女…第二王女…に嫁ぐことが、決まっているの。」「ミラ…子供…出来たの?。」
「えぇー。あれ?!。知らない?!。」初耳である。まぁ…驚きはするものの…憤りはしない。それにしても…三年足らずで、子供が、次々と…生まれるなんて。
「エリシアは、好きな人?…いないの?。」リルの問いに「えっ!…私………。」「はぁぁぁ!!。」深い嘆息を吐くと、「少しは、自分の事…考えなさい!。」リルが、真剣な顔で言う。「…う、うん!。でも…。」歯切れの悪い答えに…ずーい!近づくと、「早くしないと、いい男!逃げちゃうよ!!。」「う、うん!。」「本ー当に…分かって…いる?」ぶんぶんと、頷くと、躊躇いつつ…「結婚…相手なら…」「いるの!!。」ずいーと、顔を近づける。「姉さんの…婚約者の…カイル。嫁家したから…。」「家同士の…結婚。本ー当に…いいの?!。」「嫌いじゃ…ないから…カイルの事。幼なじみだから…。」「エリシアが、それでいいのなら…。」「うん!。ありがとう…リル。」一間置いて、「それより…子供の世話…しなくて…いいの?。」「彼が、やってくれてるから大丈夫!。まぁー!女の子だから…手間は、そんなにかからないの!。」半年の育児休暇を終えて…復帰したリル。少し…痩せたようだ。
「リル!。エリシア!。」〈六の次代〉が、〈六の刀〉と、〈次代候補〉のマオを連れ、現れた。頭を下げるエリシアと、リル。「〈六の剣〉様を見なかったか?」「?!。」きょーとーんとするエリシアと、リル。顔を見合わせ、「探知出来ないですか?。」エリシアが、聞く。「〈リング〉を嵌められている。」マオが、端的に答える。「はぁぁぁ!!。」深い嘆息を吐くエリシア。〈剣〉の…〈六の剣〉の考えは、全く…理解出来ない。時々…一人になりたいから…。群れるのが、うざいから…等…。何かしらの理由を付けては、雲隠れする。数日から一週間近く…隠れる。この前…隠れた場所は、〈シセリウス陛下〉の寝所。五日後に…〈シセリウス〉陛下と、共に…出て来た。恐る恐る…「〈シセリウス〉…陛下の…」寝所と言おうとして…リルに、口を塞がれた。ぶんぶんー首を振り、目配せを送るリル。はっーと気付き、頷くエリシア。〈刀〉は、〈剣〉のお供として、〈シセリウス陛下〉の部屋に行くことは出来るが、単独では、行けない。「見かけたら…〈オーブ〉で、知らせてくれ!。」手の平大の〈オーブ〉を懐から取り出すとエリシアに手渡す〈六の次代〉。〈剣〉側の食堂にマオ達を引き連れ、向かって行く。それを見送るエリシアと、リル。「食堂に行こう!。」リルが、誘う。「うん!。」答えると、並んで歩くエリシアと、リル。