〈魔王シセリウス〉
二階の謁見の間。人間が、〈魔王シセリウス〉と対面出来る場。中央奥…数段高い玉座に座る〈魔王シセリウス〉。左に〈レオ〉…青色の髪に…色鮮やかな紫の瞳をした二十代半ばの青年。右に〈零の剣〉腰まである長い銀の髪と仮面を付けた出で立ちの青年。その前方に…左右に〈次代〉達を引き連れた見目麗しい〈剣〉達が、居並ぶ。圧倒的な美の世界に…ただただ…驚くエリシア。乳母のミワは、〈六の刀〉と、共に…大扉の外…左右に…別れて、ひれ伏している。〈六の剣〉…〈六の次代〉…〈九の剣〉…が、居並ぶ〈剣〉達と、合流する。
「おい!!…あれが!!。」「そのようですね!。」ひそひそ…ぼそぼそ…〈次代〉や〈次代〉候補達が、話す。こほーん…〈四の剣〉が、咳払い。とたーんやむ声。
「名乗りなさい!!。」静かな…重みのある声を上げる〈魔王シセリウス〉。ふぅー息を整えると、すかーとの裾をつまみ、腰を下げる。
「サミエラ王国第二王女エリシアと、申します!。」りーんと、静まり返った場内に響く。
にっこり…笑顔を見せると、「〈六の剣〉…。」「えっ!!!。また…ですか?!!。」肩を落として、
「分かりました…。〈次代〉…。」「はい!!。」一歩前に出ると、頭を下げる〈六の次代〉。
「失礼します!!。」つかつかと、エリシアのそばに来ると、腕を摑み…「行くぞ!!!。」「えっ!!!。ま、待って!!!。」引きずるように…連れ去る〈六の次代〉。
二人が、去るのをにこやかに見送る〈魔王シセリウス〉。「あなた達も…下がりなさい。」〈剣〉達に声を掛ける〈魔王シセリウス〉。
「はっ!!。」〈四の剣〉が、代表として、応える。〈剣〉達が、〈次代〉を引き連れ…次々と、頭を下げ、下がって行く。〈四の剣〉だけが、残る。
「ふぅー」小さな息を吐くと、「少しは…〈魔族〉らしくなりました…か?!。」誰に聞くとはしない…問いに…
〈レオ〉が、「〈シセリウス〉。〈魔王〉。」「ふっ」苦笑気味の笑みを浮かべる。
「陛下…少し…お休みに…なられては…。」〈零の剣〉が、言う。
「其方の稼動時間が、14時間…超えていますね。〈四の剣〉…。」「はい!。」つかつかと、歩み寄ると、〈零の剣〉を横抱きにする。「失礼します!。」頭を下げ、去って行く〈四の剣〉。
「〈レオ〉。貴方も下がりなさい…。」
「………分かった。」名残惜しそうに去って行く〈レオ〉。虚空を見つめ…ぼんやりする〈魔王シセリウス〉。
「〈スフィア〉…。エイナ…。」よく似た二人の姿を…想い起こす。…も直ぐに!立ち上がり…去って行く。