東雲崩壊序曲 ー2ー
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「……本当に寝てやがる」
秘密基地を脱出して、すぐに部屋へ移動短縮。東雲は俺を怪しんだ様子があったし、長居は無用。
レムリアは本当は起きていて、レムリア型戦闘員を派遣したわけがなく、人のベッドでぐっすり寝ている。掛け布団を蹴飛ばす寝相の悪さに、いびきも五月蝿い。俺の部屋というより、レムリアの部屋になってる。
TVも付けっぱなし。俺の行動を確認していたと思えば、基地の映像じゃなく、商店街から動いていない。レムリア型戦闘員を見てたのかもしれないけど、そこに彼の姿は映ってない。
戻ってくる様子もなく、彼は生涯を終えてしまった。最初は舐めた態度だったけど、最後にはレムリア以上に頑張ってくれたわけだ。君の事は一週間は忘れないだろう。
「ねぇ……さっさと起きなさいよ!」
いつの間にか寝落ちしてたみたいで、VRゴーグルの振動で目が覚めた。一瞬、現実とヒーロー作戦の世界が逆転したかに思えてしまったぞ。
時間は朝の七時。学校に遅刻するかもと起こしてくれたのかも。
「私の戦闘員が消えてるんですけど! 何かあったわけ? 咲哉には倒せないはずだし」
遅刻の心配じゃなく、昨日の出来事を聞いてくるわけでもない。パートナーよりも戦闘員が大切と思うのはどうなんでしょうか?
「俺を助けるため、犠牲になったくれたんだよ。そのおかげで東雲にとって重要な物を……」
レムリアを驚かせてやろうと、道具から謎の欠片を取り出そうとしたけど、写真立ての中身が無くなってる。
「……あれ? 死んでないはずなんだけど」
「何もなかったわよ。Sキーも無くなってたし、あるのはメモ帳と中身のない写真立てだけ。金目の物を少しは取ってくると思ったけど」
「勝手に人の物を漁らないでくれませんかね!」
「何で? 私の物は私の物。咲哉の物も私の物よね」
それは名言の一つだけど、逆だから。レムリアの物が俺の物なんですよ……というツッコミは置いておくとして、謎の欠片は何処に行ったのか?
「はぁ……咲哉の道具を見てから、何か頭痛がするんだけど。戦闘員がいないんなら、今日はもうちょっと寝とこうかな」
レムリアは気だるそうに瞬きすると、右の瞳が青と黒へ交互に変わっていく。それは謎の欠片の右目と重なって見えた。つまりは、謎の欠片はレムリアに吸収された?




