秘密基地にスパイみたいに潜入? ー19ー
まさか、俺を置いて移動短縮するとは思わなかった。いや、前回も先に帰ってたのを忘れてたのが悪いのか。こっちが連絡先するよりも先に、会長から掛かってきた。
「ちょい! 嫌がらせですか! 」
連絡してくるだけ前よりは良いけど、状況を考えて欲しい。着信音でこの場所がバレるかもしれないだろ?
『違うわ。移動短縮出来なかったから、Sキーを持てばって、試してみたのよ』
移動場所を選択出来る時点で分かるよね? まずは謝るのが先じゃないか?
『Sキーで移動短縮出来るのなら、写真立てでも可能でしょ?』
なるほど。東雲の所有物が所属だと勘違いしてくれるのか。
「まずは写真立てで試してたから……出来ないし!」
写真立てを確認する。説明部分に『謎の欠片。追加、東雲所属から離れ、無所属へ。咲哉専用』
謎の欠片も空気を読んでくれ。地下基地を脱出出来るまで東雲所属でいるべきだろ。俺専用というのは何だか嬉しい気持ちにはなるけど。
「……頑張って。何か奢ってあげるから」
会長は居たたまれなくなったのか、電話を切った。奢るとしてもジュースは割に合わないし、あっちから声を掛けてもらうぞ。
「レムリア、レムリア! 寝てるところ悪いんだけど、本来の仕事だぞ。脱出するのに協力してくれ」
誰もいないから、頭で思うよりも声に出した。その方が緊急を要してると思ってくれるかもしれないからだ。
『レーム! レムレム、レーム!』
「…………行くか」
ナビをレムリア型戦闘員にさせるのには無理がある。何を言ってるか理解出来ない。俺が引き当てたのに、レムリアの命令を優先するから、起こしてもくれないだろうし。




