秘密基地にスパイみたいに潜入? ー10ー
「いきなり何……こんな場所で脱ぐなんて何考えてるのよ!」
俺がズボンを脱ぐのに両手を使ってる時にビンタするなんて避けれるはずもない。ダメージが一だったから死なずに済んだけど。
「こっちは会長みたいに瞬時に着替える事が出来ないから、こうやって脱ぐしかないの!」
「何よそれ! 後ろを向いてるから早く着替えてよね」
会長は大通りに出るつもりはないらしい。やっぱり、その姿を人前に晒すのは恥ずかしいのかも。もはやお笑い芸人しか見えないわけだし。
「着替え終わった。振り向いても大丈夫」
そう言いながら、パンツ一丁の姿を見せようなんて思ってないぞ。芸人の相方みたいな気持ちだ。
「ぷっ……本当にそっくりよね。そのままの姿でも問題ないぐらい」
会長は俺の姿を見て、笑いを堪えてる。俺自身、東雲の戦闘員に似てると思うから。
「ふぅ……笑いはそれまでにして、行くわよ!」
俺は笑わせるつもりはなかったんだけど、会長は俺の手を握って、移動短縮を試みた。
「……」
「……」
移動先は東雲の悪側の基地。それを選んだはずなのに、着いたのはツインタワー前。受付の建物に入ってすらない。
ツインタワー前を通り過ぎる人達に指差されたり、ヒソヒソされてるのが分かる。
ツインタワーは本来正義側の基地で、周囲に怪人の姿もない。戦闘員じゃなく、変態のカップルと思われたのかも。手も繋いだままだし。
あまりの恥ずかしさに移動短縮しようとするけど、拒否された。それは敵と遭遇した場合で、エリア移動するしかない。東雲区を出るわけじゃなく、ある一定の距離で分割されたりしてるんだけど。
「そこの戦闘員二人、こちらに来なさい」
ツインタワーから出てきたのはヒーローじゃなく、受付の一人。敵対してる状態から考えるとヒーロー側のNPCなのかも。




