秘密基地にスパイみたいに潜入? ー7ー
「駄目でしょ。ゲームで仕事を持ち込むのは全然楽しくないというか、魅力なし」
他にもスーツの男女がデスクワークをしてる。ヒーロー作戦を楽しむ素振りも見せない。フローラはカジノを阿弥陀ゲームを楽しんでた分ましかも。
「ヘコヘコしないと駄目なのもね。悪が社員ばかりな理由もそれじゃない」
会長の言う通り、ゲームで頭を下げるのも何だか。ストレス発散でゲームするのが、溜まるような気がする。
「そうだけど! 報酬が良かったりするんだよ。現実にも反映されるし、就職だって……」
岩男が東雲を辞めないのは就職を狙ってるからか。リアル過ぎて文句も言えないぞ。
「私は興味ないんで。見学出来るのはこのフロアだけ?」
2Dマップを確認すると、階段が存在し、部屋も無数にある。エレベーターを使わなくても移動は可能みたいだ。
「ちょっ! 勝手にドアを開けようとしないで」
近くにあるドアを会長は開けようとしたけど、鍵が掛かってるみたいだ。それだけじゃなく、電気が流されてるみたいで、ダメージを受けてる。
「な、な、何、なの、よよよ。現実の方でもダメージがあるんだけど」
「東雲の所属じゃないと開かないんです。敵が攻めて来た時に有効なんで」
「それなら岩男が開けてよ。東雲所属なんだから」
「岩男じゃなく、ガンマンです。俺にも開けられないです。階級によって開けれるドアも違って、このフロアは社員だけ」
「……使えないわね」
「すみません!」
多分年上の岩男に対して会長は辛辣な言葉を投げつけるんだけど、謝りなれてるのか、反射的に頭を下げてる。
それに加え、戦闘員がドアを開けるもんだから、岩男の扱い的に戦闘員以下? 何だか同情してしまう。




