ハズレくじを引くのは俺ですか? ー19ー
『……何よ? 忙しいんだけど』
俺が連絡すると、会長戦闘員の集団から抜け出して、公衆トイレに入った。戦闘員が携帯を持ってるわけがないし、岩男も何処から鳴ったのかキョロキョロしてる。俺のせいで変装してるのがバレるところだった。
「俺の存在意義を奪わないで欲しいんですけど!」
「一体何を」
「昨日渡したタイツを着てるでしょ! 戦闘員になれるのは俺だけなんです」
『…………昨日は黙って消えたのに。拓兄さんから話を聞いて、私を心配してくれるの?』
会長はいつもの制服に着替えて、トイレから辺りを警戒するように見回してる。戦闘員というより、俺を捜してるのか? 行動を把握してるとか、ストーカーみたいだもんな。周囲にいない事で、単に心配しただけと思ってくれたみたいだけど。
「拓兄さん……あぁ! 店長の事か。勿論心配するって。学校も休んでるわけだし」
店長の下の名前が拓だなんて今知った。というか、合成に楽しくて、会長の事はすっかり忘れていた。
『心配した……そういえば、カジノでの勝負に勝ったみたいね。岩男がこぼしてたわ。フレンド枠も田中君は無所属のままだし』
会長から見ても岩男なんだな。名前は岩男じゃなくて、フレンド申請からガンマンになってる。音読みと英語の組み合わせで、岩男。
「まぁ……運が良かったというか、途中でフローラがギブアップしたから」
「それにフレンド申請をされたんじゃないの? 岩男が田中君がフレンドになってない事を嘆いてたわよ」
それほど岩男は俺とフレンドになりたいのか? フローラみたいにそっち系の趣味だったら嫌なんだけど。なるつもりはないんだけど、拒否するのを忘れてた。
「いや、あんな人達とフレンドになりたいとは思わないし」
「なってもらえると有難いんだけど。もしくは、私の代わりに戦闘員として忍び込んでほしいかな。私の事を心配してくれたのよね」
これは拒否出来ないパターンな気がする。連絡した事がハズレの選択だった。




