ハズレくじを引くのは俺ですか? ー18ー
「お早いお帰りで。首尾はどうだった?」
レムリアはこっちを振り返らず、TVに釘付け。けど、手を差し出してきたのは食べ物を持ってきたと思ったのかもしれない。
「全然。このおっさんの鍵みたいなんだけど、一体誰なんだよ」
俺はTVを遮るようにレムリアの前におっさんの写真を突きつけた。
「ああ……ライブに来てたおっさんね」
「来てたのか!」
「適当に言っただけ。ああ! 不倫した◯◯ね。もしかして、××の部屋鍵だったりして」
レムリアもおっさんの事は知らないみたいだ。これが××の鍵だったら、何処まで◯◯を落としいれたいか。
「それに不倫写真は現実のなんだけど、咲哉と同じでそのままでやってるのかしら?」
そういえば、ヒーロー作戦の出来事じゃなくて現実のだった。この世界まで不倫してるとか……ないとはいいきれないのか。謎の鍵もあるわけだし。
「はぁ……知らないのなら、おっさんの事はもういいよ。おっさんに夢中になりたくないし。それで、お前は今日も外に出ないのか?」
「まだ二日目だし。ファンの数が一万越えたら考えてもいいわ。千に到達したばかりだけどね」
ファン数の伸びがイマイチで乗り気がないとかじゃなくて、本当に面倒臭がってるだけだと思う。
「そんな事言ってるけど、レムリア型戦闘員もそろそろ限界が」
レムリアがガチャを回してない。それは偽レムリアに話し掛けるプレイヤーがいないって事だ。
「今日は潮時のようね……って、何固まってるのよ。あっ! 岩男が歩いてるわね」
偽レムリアが映ってる中、今日はカジノの用心棒の仕事がないのか、岩男が偽レムリアの側にいた。その後ろには全裸風タイツの戦闘員達を従えてる。
その中に見慣れた顔が。俺が渡したタイツを会長が着た状態で紛れ込んでいた。羞恥心を捨てたみたいだけど、戦闘員という俺の存在を奪うなんて。




