ハズレくじを引くのは俺ですか? ー16ー
「ちゃんと出来たじゃない。これもよろしくね」
レムリアは食べ滓を集めて、俺の前に置いた。それも魔法みたいに宙に浮かせてだ。そんな事出来るなら合成も魔法ですればいいのに。
「こんなのを混ぜてもどうしようもないと思うけど」
レシピに載ってる食べ物もあるけど、滓なわけだし。それにどれだけ食いしん坊なんだよ。ゲームだから俺には味が分からないし、食べても仕方ないんだけど、美味しそうに食べるのが何だか腹立ってくる。太ればいいのに。
「面倒だから全部入れてみるか」
もしかしたら、闇鍋なんか出来るかもしれない。合成には『大成功』、『成功』、『大失敗』、『失敗』と『混沌』の五つ。
ここは『混沌』狙いで音楽が止まってもスイッチを押し続けるのはどうだろう?
全部投入して、蓋を。音楽が鳴ってる間、今にも飛び出しそうなぐらい蓋が動く動く。それを手で抑えるんだけど、クリーチャーでも生まれるんじゃないか?
「何か臭いんだけど?」
レムリアが鼻を摘まむほどに変な臭いなのか。音楽も鳴り終わってるし、スイッチを止めてみる。
残念みたいな音が一回鳴るだけで、中身が俺の手に収まった。
それは茶色の誰もが見た事ある物体。説明には排泄物と書かれてる。
「う◯こじゃないか!」
「エンガチョ、エンガチョ」
レムリアが酷い臭いがすると言うのも当然だ。食べ滓を全部混ぜたら『う◯こ』だとか。距離を取るレムリアに投げてやりたい。
俺はそれをトイレに流し、手をこれでもかってぐらいに洗った。勿論、ミキサーもそう。救いだったのは『う◯こ』が専用武器にならなかった事。誰もが嫌がる武器になるんだけど、人として終わってる気がする。
「あれが『混沌』なのか、『失敗』なのか。大失敗の時に飛び散るのは止めて欲しい」
失敗だった場合、食べ滓関係なく排泄物になるなら、成功を続けいくしかない。
「まぁまぁ……一つに纏まって捨てやすくなったんだから結果オーライじゃないの?」
「五月蝿い! ある意味、あれはお前のう◯」
「失礼ね! アイドルはしないのよ」
そんな事言うアイドルがいたけど、実際はするからね? 本来のレムリアを見てる側として、酒を呑みながら屁をする姿が似合ってるんだけど。
「はいはい……次はちゃんとした物を。イメージが大切だよな」
俺は聴診器、鍵、針金、IDカードをチョイス。聴診器は何に使うか分からないし、鍵とIDカードも何処の物なのか? これを混ぜた事で万能鍵が出来れば万々歳なんだけど。




