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戦闘員Aですが何か?   作者: マネージャー
第一章 東雲編
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百万人目の記念だってさ ー5ー

「早速戦闘の説明をするわ。目的は勿論怪人と共にヒーローを倒す事よ。コマンド方式じゃなくて、アクション方式ね。殴られるのが怖かったら3Dに変更するのをお奨めするわ。2Dには出来ないから」



 俺がやる気が無くなってるのを、リアル過ぎて殴られるのが怖いとレムリアは思ってるみたいだ。



「そんなヘタレじゃないし、3Dになんかしませんから。さっさと説明の続きをしろよ」



「野次馬のNPCのくせに五月蝿いよ!」



 チュートリアルだから、ヒーローと怪人は動きを止めてる。観客達は『早くしろ』とヤジを投げてる。そこは俺を応援するべきだろ。レムリアといい、妙に人間臭いんだけど。



「最初に咲哉のパラメーターを見せるわ。戦闘で重要なのはHPとスタミナ、攻撃力と防御力。他のは戦闘以外で必要ね」



 HPが無くなれば死亡扱い。スタミナは動くと消費し、無くなると一定時間動けなくなる。止まると少し回復するので案配が大切。攻撃と防御はそのままの意味。他は魅力や器用さ、運、速さがある。速さが重要になるのは後々だと攻略本に書いてた。そんな事よりもだ。



「色々と駄目だろ、これ! 」



 パラメーターの最初上限は千。途中から上げる事が可能。けど、俺のパラメーターでHPと攻撃に関係する力、防御に関わる耐久がたったの一。魅力も一。スタミナと速さは百で、器用さだけが九百と異常に高い。



 問題なのは戦闘に重要とレムリアが言ったのがMAXと表示されてる事だ。それはレベルを上げても上昇させる事が無理なのを意味してる。



「何言ってるの? 戦闘員は所詮は一発で倒されるやられ役でしょ。怪人そっちのけでヒーローと互角に戦う戦闘員ってどうなのよ」



「ぐっ……何も言えない。戦闘員という立場では正論か」



 ヒーロー作戦は特撮番組やアニメを骨組みにしてると思う。俺も両方好きなんだけど、戦闘員が活躍する事はない。一発で倒され、技の余波だけで倒されたり。ヒーローに攻撃が当たる事もないかもしれない。



「って事は……俺が戦闘するのに意味があるのかよ。一発で倒されるし、ダメージを与えられる気がしないぞ」



「普段は戦闘員は集団で動くんだけど、意味はあるわよ。やられても経験値が上がるわ」



「経験値が貰えても、戦闘のパラメーターは上げられないだろうが!」



「いちいち反論してくるわね。面倒だから戦闘開始よ。一発でやられなさい」



「ヒーローを倒すのが目的なのに、倒されろってどういう事だよ。こうなったら避けまくって粘ってやる」



 速さは重要じゃない。つまり、動くスピードはあまり変わりがないって事だ。器用さが高いのなら、案外避ける事が出来そうじゃないか。



 俺はヒーローの動きに対して身構えた。避ける事だけに全力を注ぐ。変身で出来なかったので、俺が考えた戦闘の構えをする。




「邪魔だ。さっさと消えろ」



 まさかの後方から仲間である上司の怪人からの攻撃。戦闘員は捨て駒に過ぎないから、こんな展開があるのを見落としてた。



「戦闘員のくせに身構えるからよ。構えも全然センスがないわ」



 これは野次馬の声じゃなく、レムリア。労いの言葉じゃなく罵倒なんて。本当にパートナーを解消してやりたい。

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