レムリアを探せ! って無駄なんですけど ー15ー
†
「何溜め息吐いてるのよ。緊張でもしてるわけ? 少しは楽しんでもいいんだけど」
俺と会長はカジノの中に入った。すぐに受付があり、金をコインに交換しないと先に進ましてくれなかった。会長は五千円を交換して、半分を俺に渡してくれた。
コイン一枚につき百円。この一枚に俺以上の価値があるから落ち込んでるわけじゃないぞ。
カジノ内は比呂高校の体育館と同じ、バレーコート二面出来るぐらいの大きさだ。派手さはなく、静かな場所だ。賭博の種類もカードのポーカーにブラックジャック、ルーレット。スロットが十台と何故か場違いなじゃんけんポンの台が一つ。麻雀台が二つ。後、ディーラーが誰もいない謎の机がある。
区によって置いてる賭博の種類が違い、オリジナルの賭博があるらしい。漫画にも大金が手に入る代わりに独特な賭け事があるから、謎の机は東雲の考えた物だろう。
ディーラー以外に人はいる。プレイヤーじゃなく、NPCもしくは連動してる他アプリのプレイヤーだけ。その場からずっと動かないか、一定の動きしかいない。
会長はルーレットの席に座った。コインに交換したわけだから、何かしなければ勿体ない。
けど、どれも魅力的に感じない。唯一じゃんけんポンぐらいか。じゃんけんをするだけのゲーム。勝てば一枚から二十枚のランダムの枚数を出してくれる。
『やる気を無くす理由が馬鹿馬鹿しいわ』
レムリアは俺が思ってる事がバレてる。何て事はない。凹んでる理由はバニーガールが一人もいないから。NPCで一人ぐらい用意してくれたらいいのに。それを楽しみにしてる人は多いと思うんだよね。
「負けたわ」
「はやっ!」
一枚ずつ賭ける事はせず、一気に全額賭けてたんだろう。しかも、赤と黒のニ択を選ばず、数字の一点賭けは冒険すぎる。
「そろそろ始める? まずは2Dマップで確認よね」
俺のコインはまだ残ってるんだけど、会長は攻略を始めようとする。
カジノからルートは三つ。出入口の扉、トイレ、スタッフルームへ行く扉。会長はトイレと間違って、スタッフルームに入って確認したんだろう。
スタッフルーム、事務室に続く廊下には戦闘員達が歩いてる。そして、事務室には二人。経営者と用心棒と予想。この二人をこちら側に呼び寄せる必要があるわけだ。




