レムリアを探せ! って無駄なんですけど ー14ー
「そう? 映画館で見ただけなのに凄い自信ね。私には見分けがつかないんだけど」
「えっと……『作戦本部』とか雑誌に載ってたりもしたから」
レムリアと一緒にいるからって言えないのが辛い。戦闘員の事がバレたんだからと思ったんだけど、『私の姿が見分けが出来ないのなら駄目でしょ』らしい。
「そんな情報雑誌があったわね。買う事も出来ないから、今度見せて欲しいんだけど。学校の人達には内緒だから」
それは現実の世界、しかも、学校じゃない場所で会うという事か! 二人の秘密ってやつだ、『作戦本部』を買うのは阿久真だったけど、これからは俺も買おう。
「おっおっおっ……おう! 二人の秘密ってやつだな。何処かで会ったり」
『ププ……噛み噛みになってるし。二人だけの秘密って、私も知ってるし。どんな展開になる妄想してるんだか?』
「何処かで会う? 参考書を置いた感じで下駄箱に入れれば良いでしょ。貴方も変に噂されるのは嫌でしょ」
何だろう。俺だけが馬鹿みたいに考えてたのが悲しくなってくる。噂が出て迷惑なのは会長なんだろうなぁ。というか、下駄箱に入れるのがラブレターと勘違いされても噂が立つと思うんだけど。
「……そ、そうだよね。誰かに見られるかもしれないし……いきなり話し掛けるのも」
「そうね。この世界でも話す事は出来るんだし」
ここはツンデレな感じで、『少しなら話す事を許してあげるわ』ってのが欲しかったけど、『作戦本部』を毎回買って、会長の好意度が上げてみよう。何か学校でイベントが起きるかもと思うのはゲーム脳なんだろうか。
『無理無理……黒雪に戦闘員とバレたからって、フラグは立ってないない。都合の良い相手ぐらいでしょ』
少し傷付いた俺に、慰めじゃなく、塩を塗り付ける台詞を吐くなんて流石レムリアだな。
「着いたわ」
レムリアの言葉に意識がいってる内に、東雲区のカジノに着いた。ゲームとかパチンコ屋を考えると大々的に看板を出してるイメージなんだけど、地下に行くための階段があるだけで、カジノだと一目で分からない。街に紛れる悪の秘密基地っぽいぞ。




