レムリアを探せ! って無駄なんですけど ー5ー
「何こいつ? 何も聞かされてないんだけど」
「レーム!」
開発局の時と違って、何を言ってるんのか分からない。俺の部屋だから見えてもいいのに。
「何々……キャンペーン限定キャラなの? 私のファンの数と連動して増えるんだ?」
レムリア型戦闘員の詳細を見る。無料ガチャやPガチャで出てくる。どの所属でも使用化で、普通の戦闘員の二倍の強さを持つ。レムリアのファンの数だけ排出される。現在のファン数百人。
他にもキャンペーンの課金ガチャもある。
ライブで持ってた星の杖やドクロの杖。レムリアのミニキャラ人形。一番のレアはレムリアの服。絶対どれかが出るわけじゃなく、課金ガチャのアイテムも出てくる。普通のが出てくる時点で排出率がかなり低いのが予想出来る。
「それよりもだ! この戦闘員は俺よりも強い可能性があるってのはどうよ!」
パラメーターは器用さと運以外、俺の二倍の能力値がある。それ以上に衝撃だったのは売値が一万円。俺は一円だったのに、一万倍の価値があるって事だ。
俺を見下すように胸を張りやがって。お前の行き先はもう決まってるんだ。
「……おかしいでしょ。おかしいわ! 私はアイドルで女神なのよ! ライブも満員だったのにファン数が百? 来た人より少ないじゃないの!」
ヒーロー作戦のプレイヤーが百万人。阿久真みたいに待ってる人もいるだろうけど、その中で百人だけ。コスプレ用の服もあるのにその数は少ない。
まぁ、開設されたのがライブ後だから、時間の経過とともに増えると思うぞ。阿久真がそれを見つけて、登録したら会員番号一番だったからな。勿論、俺は頑なに拒否したけどな。
「まぁ……そんなもんじゃないか? 取り敢えず、こいつを売るぞ。態度がムカつくし、一万円が手に入るからな」
俺の言葉に、レムリア型戦闘員は暴力に訴えようとしたけど、悪いな。ここは俺の部屋なんだ。売るキャラはロックされて動けないんだよ。俺が売られた時もそうだったから。
「ちょっと! 私のファンを売り飛ばそうとするとかありえないんだけど。一円の咲哉と違って、一万円の価値があるのよ」
その言い方はかなり傷付くぞ。それと勝手にロックを解除したせいで、俺をボコボコに殴るコイツを止めてくれませんかね? 俺の部屋だからダメージはないけど。




