割合麻雀 ー2ー
「おい……CPUがそっちに行ったら駄目だぞ。そこはプレイヤー専用だ。普通の卓で相手をしてやってくれ」
店員がリアを止めた。店員もリアがNPCと認識してるみたいで、バイト感覚でやってきたと思ってるのかもしれない。リアがやっていたのは酒酒限定ゲームではなく、普通の麻雀でプレイヤー達を相手にしてただけ。二人というのもコンビ打ちを戦闘員にやらせていた? こういう場なら文句はないかもしれないけど。
「何でよ! 別にいいでしょ。何度も言ってるけど、私はCPUって名前じゃなくて、リアって言うの」
「姿だけじゃなく、声、名前も似させるとか運営も何を考えてるんだ? まぁ……客が相手に指定するから来るのをOKしてるだけなんだぞ」
リアは普通のNPCと違うだろ? 一応戦闘員を連れてるわけで、前もそうだったはずじゃないのか。
「プレイヤー、プレイヤーって! ここにいるから。コイツと一緒に打つんだから、文句はないでしょ」
ちょっと! 戦闘員のタイツを着てるんだから、俺を指ささないでくれ。
「いつも連れてた戦闘員と違う……それって限定タイツ! じゃなくて、戦闘員でプレイヤーじゃないだろ? 一緒にいるのもおかしな話なんだけどな」
「あの……プレイヤーです。少し改造して、タイツを着る事に成功したので」
はぁ……ここまで来ると、脱がされるはめになるな。限定タイツだから、改造したとかで誤魔化すしかないか。俺は顔の部分だけを見せた。これで2Dマップで確認出来るだろうし、戦闘員が素顔を晒すわけもない。
「うおっ! 本当だ。あのタイツを手に入れたのも凄いし、着る事は出来ない事になってるはずなのに。それよりも……アンタの趣味。人に見せるのはどうかと」
首輪と手錠を店員は指差した。女王と奴隷? 外でSMしてると勘違いするのも無理ないのか。そんな趣味はないと、この姿で否定するのも……
「そこは現実じゃなくて、VR! 普通では出来ない事をする場所でもある」
「おおっ! 確かに……お客様に対して申し訳ありません。今回は酒酒区の割合麻雀に参加で宜しいでしょうか? パートナーは彼女で……貴方は彼女の目に視点を切り替える事は出来ないですか?」
店員の質問。実は俺一人でやると思ってるのかもしれない。リアが「えっ!」って驚いた顔をしてるけど、そんなの無理だからな。
「無理ですね。彼女の顔を見たでしょ? パートナーもプレイヤーじゃないと駄目ですか?」
「いえいえ、大丈夫です。その代わりに、私が勝った暁には、その戦闘員のタイツを頂けたらと。それだけを持ってませんので」
奥から偉そうなサングラスを付けた男が現れた。サングラスを付けても、両目に傷があるのが分かる。店員は店長と呼ぶけど、『親方』や『ボス』の方が似合う極道姿だ。




