黒髪の彼女 ー14ー
「久し振りに外に出たけど、今日は良い天気ね」
といっても、時間も夜になろうと色を変えようとしてる。こんな時間に良い天気だなんて、朝に外へ出る日はないんだろうか……買い出しを戦闘員にやらせてた時点でないな。
リアに連れられて、部屋を出ると強制ログアウトにならなかった。あれは偶然だったのか? 今もホームに戻れないのと、ログアウト出来ない状態になっている。もしかしたら、リアが眠る事が条件になっているのかも。
「……普通に外へ出れるんだな。本当は他の区にも簡単に行けそうな雰囲気なんだけど」
リアは堂々と歩き、NPCは何も気にせず、プレイヤー達は軽く目を追うぐらいか。レムリアと間違えられたり、狙われてる様子はなさそう。それよりも、俺が犬みたいに首輪をつけられて歩いてるのが目立ってる。当然俺は戦闘員のタイツに着替えた。タイツも部屋を移動していたのが良かった。リアは着替えるのに疑問を持ったけど、この状態で素顔を晒すわけにはいかない。そのため、リアには耳打ち話し掛けないと駄目。戦闘員は話が出来るのが張れてはいけないと説得した。
「だから、他の区に行くために頑張ってるわけで、無理なんだってば……ちょっと、いきなり何よ!」
俺の携帯に着信が入った。外に出ると繋がるらしい。勿論相手は会長だ。俺は携帯を取り出すけど、リアが代わりに出てしまった。この状態で話す事は俺も無理なんだけど。というか、携帯の操作は分かるのか?
『やっと出た! 咲哉の部屋に移動短縮出来ないし、行ってみたら閉鎖されてるし、どうなってるわけ? これもレムリアがいなくなった影響なの?』
ボリュームが大きく設定してたのか、ここまで聴こえてきた。俺の部屋が閉鎖されてる? まぁ……取られたら駄目なのは、リアの部屋に移動されてるから大丈夫だとして、明日も自分の部屋に戻れそうにもないな。
「名前も名乗らないとか失礼じゃないの? 咲哉は私の奴隷だから、気安く電話してこないでよね」
リアは俺に代わる事もせず、電話を切ってしまった。現実に戻った時が怖そうだな。っと、再度コール音が鳴り響く。会長も一回で引くはずもない。
「ここは俺が言い聞かすので……もしかしたら、下僕がもう一人増えるかもしれないぞ」
少し悩んだ後、俺に携帯を返してくれた。なので、戦闘員のタイツを着ている俺は、路地裏に隠れてから話をする事にした。




