黒髪の彼女 ー13ー
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「何処行ってたのよ! 目が覚めたら姿がなかった……し、何? 着替えを取りに帰ってたわけ。突然現れたのは驚いたけど、戻ってきたから許してあげようかな。さぁ! さっさとご飯を作りなさい」
「……マジか。何だ……リアを酒酒区から外へ出さないと、捕まったままなのか」
俺は戦闘員のタイツではなく、学校の制服の姿のまま。前回付いていた首輪と手錠もそのまま。レムリアがいなくなった事で、リアがその代わりにされたのなら最悪……何も変わらないのか? いや、店を開く事が出来ないから、お金を貯めれないのは痛い。
「何をごちゃごちゃ言ってるわけ。今日は久しぶりに勝負に行くつもりなんだから」
俺は渋々料理を作ろうと……冷蔵庫の中身が空。昨日の時点で材料がなかったのに、補充されてるわけがないだろ! と、部屋の中をよく見るとガラガラがあった。飾りではなく、無料ガチャ用のやつだ。俺が回すとカツバーガーと景気の良い食べ物が出現。
「何これ! 良い物出してくれるじゃない。これも持ってきてくれたんだ」
俺の了承もなく、警戒もせずにカツバーガーを口にするのはレムリアに似ている。リアはガラガラを見た事がないようで、回そうにも動く気配はない。これが俺専用なら、ホームは本当にこの部屋になってしまったのか? もしくはリアがプレイヤーじゃない事の証明になるのかもしれない。いや、一日一回の無料ガチャだからか……
「全然動かないんだけど……私も回してみたいんだけど!」
「それは一日一回出来るやつで……もしかしたら、俺専用になってるかも」
「そうなの? なら、明日は私が回してみるからね! 無理だったら……どうしようかな?」
「いやいや……それは俺が悪いわけじゃないから。材料が揃えば、料理はちゃんとするし」
ガチャが回せないだけで、とばっちりに合うのは嫌だぞ。料理が出る装置と思ってくれてるなら俺が料理するし、リアが回して変な物が出た場合の保険も準備しておかないと。
「材料を揃えるのも咲哉の仕事なんだけど、今日は帰りにでも一緒に見てあげるわ」
リアはカツバーガーを即座に食し、早速出掛けようとドアを開けた。
「で、何処に行くんだ? 言っておくけど、俺は凄く弱い。悪の組織に喧嘩を売りに行くなら無理だぞ」
「違う……ん? ある意味喧嘩を売りに行くのかな? 賭博場に行くのよ。たまに行くんだけど、負けてばかり。今日は咲哉がいるから大丈夫と思うのよ」
賭博場というと、カジノの事か。違う区に行くたびにカジノのゲームをやらされてないか? 今回はリアがやるのを見るだけでいいのかも。
「負けてばかりって……俺が側にいても何も変わらないと思うぞ」
「全然違うわよ。私達がやるのはペアでやるのだから、咲哉は私のパートナーなの!」
なるほどね。そういえば、区専用のゲームがあったわ。酒酒区は二人が協力するゲームなわけで、戦闘員を相方にしていたら負け続けても仕方ないかも。




