黒髪の彼女 ー12ー
「そんな子がいたの! 絶対何か関係あるでしょ。姿を偽ってるかもしれないし」
それを言うなら、波新さんもレムリアと似た姿をしてるから関係してる事になるよね。まぁ……一時的にログアウト出来ない状態になったのは気になるところで、レムリアというよりも地下迷宮案件のような感じだぞ。
「早速案内しなさいよ。酷い目にあっても、咲哉なら問題ないでしょ」
俺が戦闘員だからって酷い扱いだな。一緒に行くなら会長も同じ目に会うかもしれないぞ。行くなら一人で……というわけにもいかないんだよな。
「それは困るかな……会長と才波と同じ目に合うというか……」
「何言って……あぁ、なるほどね。けど、咲哉は自力で脱出出来てるんだから問題ないでしょ。最悪拓兄さんが助けてくれるよね」
「だから危険な行為は……はぁ〜仕方ない。君達の尻は拭かせてもらうよ」
店長も了承しないでください。一度逃げた場所に戻れば、嫌な目に合うのは分かってるし。だからといって、リアを倒したいという気持ちはないんだから。プレイヤーじゃない以上、NPCの二代目カナリアみたいに復活出来るとも限らないわけで。
「ほらほら! 今日もヒーロー作戦はやるつもりだったんでしょ。レムリアなら飲む時間とか関係なさそうだし」
ここまで来るとNOを選んでも再度選択肢が現れるパターンで、強制的にYesにさせられるわけだ。
「分かったよ。集合場所は酒酒区にするのか?」
「咲哉の部屋でいいでしょ。そこで用意するのもあるからさ」
俺の部屋で準備? レムリアもいないのに必要な物なんて……もしかして、戦闘員のタイツか! あの姿になるのを結構好きになってないか?
俺と会長は自宅に帰って、ヒーロー作戦にログインした。時間も意外に経過していて六時になろうとしていた。この時間から酒酒区は忙しくなり始める時間帯だろう。
「ログインした時に、レムリアがいればあの場所に行かなくて済むのにな……って、何でアンタがここに……」
そう言葉にすると、ログイン時、目の前にいたのはレムリア……じゃなくてリアがいた。というか、自分の部屋ですらなかった。ログイン時は部屋にいるはずなのに、リアの部屋がホームに書き換えられていた。




