黒髪の彼女 ー8ー
「ほら! これでいいんだろ」
俺も炒飯ぐらいなら作れる。具材とご飯を一緒に炒めるぐらいだし。
「深夜に炒飯を選ぶとか……モグモグ……自信ありそうに言ったけど、十点ね。満点じゃなくて、百点満点中だから」
炒飯は材料がそれしかなかったからで、作って貰ったのに採点が低くすぎだろ。
「玉ねぎとウインナーの大きさがバラバラ、味が薄い。油でギトギト…………炒飯は奥が深いんだから。これなら市販の冷凍炒飯がましね」
高いからと買わないくせに、よく知ってるな。そう言いながらも、炒飯を完食するのは余程お腹が空いてたか、勿体ないからか?
「お腹も満たせたし……眠くなってきたわね。私が寝ている間、掃除をしておいて。勝手に外へ出たら駄目なんだから」
リアは欠伸をしながら、隣の部屋に移動した。その部屋は内側鍵を掛けられ、リアを襲えないように……襲わないんだけど! 俺が落ちてきた穴もあれば、謎のドアもある。手錠と首輪はされたままだけど、ここを抜け出す事は可能なようだ。
「天井にある穴は届かないよな……出来ても、屋根伝いを移動も無理だ。ここにあるドアは外に繋がってるドアじゃないのか?」
鍵は掛かってない。位置的にもここが外出用のドアと思う。罠があって死亡したとしても戦闘員のタイツだから取られる事もない。
俺はリアの言葉を無視してドアを開けた。この時に思ったんだよな。俺ってヒーロー作戦の中に閉じ込められてるわけで、この状態で死ぬのはヤバいのではと……
「ちょっと待った! えっ……」
外の景色が見えるよりも前に、強烈な光で目が眩んだ。罠かと思いきや、目を開けた時には現実に戻っていた。強制的にログアウトが掛けられたみたいだ。
「良かった……本当に閉じ込められたと思った。明日にでも会長達に話してみよう。それと店長もリアの事を知ってるかどうか聞いてみないと」
気付けば、深夜一時を過ぎようとして、眠気が襲ってきた。店長にはリアという名前を知ってるかどうかを聞かないと。意思を持ったNPCは、二代目カナリアと、前からいた名前を借りた物。今回のその可能性があるかもしれないだろ?




