黒髪の彼女 ー6ー
「私? 私の名前はリアって言うの。ここで生活してるというか、金を貯めてるわけ。金を貯めて、ここを支配するのが目的じゃないわよ。ここから出るのが目的だから」
レムリアに似てると思ったら、名前も似てるし。支配するなんて、そんな大それた事を出来るとは思ってないから。NPCが第三勢力になったりしたら『作戦本部』に情報があっても……カナリアの情報はないから分からないか?
「ここから……酒酒区から出たいのか?」
レムリアは酒好きだから、この場所から離れようとするとは思えないし、やっぱり別人か。NPCが他の区に行ったのは二代目カナリアだな。そこまで気にした事がなかったけど、別の区に行けないのか? 同じ顔をしたNPCがいても、実は別人だったとか。
「そうそう! 突然消えたりする奴もいれば、電車に乗る奴もいるのに、私が無理なのは意味が分からないよね。どんなのか気になるでしょ」
目的は分かったけど、金を貯めた事でそれは可能なのか? このままだとタダ働きで協力するはめにならないか。そうなるとレムリア探索も出来なくなるし、ここは一度酒酒区から脱出するのも手だな。
「ちょっと! 何で脱ぎ出すのよ。私に襲い掛かろうとしても、網があるから無理なんだから。イケメンだとしても……普通……というよりも地味? 一体何がしたいのよ」
「襲うつもりはなくて……あれ? 戻らないんだけど」
タイツを脱げば強制的に酒酒区から退去させられらはずが、網の中に捕らえられた状態のまま。リアが敵でなければ、部屋に戻る事も可能なはずなんだけど、それも出来ない。
「あの……金を払うんで、網を外してくれませんか?」
ここは網を外してもらってから確認しないと。
「裸になった相手をどう信用しろっての? 私の目的を聞いた以上は、金というよりも、手下になって馬車馬の如く働いて貰わないと……襲ってきたら」
「それで良いし、襲わないから」
網が切れた瞬間におさらばなので、嘘を吐いても問題ない。あの道を通らなければ、リアがいる場所まで行く事もないし。
「これは手下になった証なんだから」
リアは網を切る前に、俺へ魔法を使ったみたいに、犬につけるような首輪と手錠を強制的に装備させた。
「待て待て……SMプレイしてるみたいな……こんな状態で退去され……ないし!」




