黒髪の彼女 ー3ー
赤の戦闘員はプレイヤー達に見つからないよう、路地裏にある居酒屋の裏口に入り、俺に手招きする。まぁ、酒酒区の店なんだから匿ったり、逃げ道があってもおかしくない。
店内はイベントもあってか盛り上がっていて、服を脱ぐプレイヤー達もいる。最終防衛線を脱いだプレイヤー達は強制退去のようで、ギリギリのラインで運営を戦っているのが面白い。
ただ、この盛り上がりは外と違って、店内の酒の匂いがきつく設定されてるのもあるだろう。戦闘員に耐性があるのか、臭いはするけど、クラクラ状態にならないみたいだ。
「ヒク! ヒクヒク」
赤の戦闘員は店員のように、客の間を通り抜けて行く。誰も気にするプレイヤーはいない。酔っ払い同士の喧嘩等、戦闘行為は禁止された様子はない。俺が前を通っても大丈夫だった。ステルス機能がついてるわけじゃなく、これも酒の力なのか。
裏口のある厨房から入って、何処に行くつもりなのか? と思ったら、矢印にtoiletと書かれている。俺の場合、戦闘員のタイツに着替えるため、愛用するのがトイレだ。
けど、普通の戦闘員には意味がない。俺が着替えた場合、すぐにでも酒酒区から出ていく事になってしまう。
赤の戦闘員は女子トイレに入った。あまりに堂々と入ったので時が止まってしまった。
(えっ……あの戦闘員って女子だったの? もしくは歴戦の猛者……)
といっても、あの戦闘員はNPC。決められた行動をしてるだけ。俺もその道だと決まってるなら、乗り込むしかない……のだけど、個室なのが気になるところだ。
「ヒクヒク」(入ってますか?」
返事がない。女子トイレが秘密の通路になってるわけだ。鍵も掛かってなかったので、俺はドアを開けた。
個室だったので、男女変わらず洋式トイレがある。他に変わったところは……中がびちゃびちゃになっているのが気になるけど……
流す意外に、音楽や尻に水を当てる等のボタンはある。一番考えられるのは流すボタンだろう。最近のトイレは自動で流してくれるけど、手順としては必要だと思う。
それと水の流れる音も聞こえなかったのがネックだ。中にう○こがあったら、どうしようかと。それが道具だとしたら……なかったんだけど。
(まぁ……こういう時の抜け道って、落とし穴だよな。床がパカンって感じで。下に流れるのとかけてたり)
のはずが、流しても本当に水が出るだけ。尻の形をしたボタンを押すと、床から猛烈な勢いで水が吹き出て、俺の尻を直撃し、体を浮かした。
(そっちかよ!)
天井が開かれ、水が俺を上へと押し上げていく。




