行方不明 ー12ー
俺と阿久真がヒーロー作戦の会話を盗み聞きしてるのか、会長がチラチラとこちらを見てる。俺が水着コンテストに出てくれとでも言うと思ってるのか? 変身前なら良いけど、好き好んでオッサンの水着姿は見たくないし、才波の場合は婆さんだ。
昼休みになると、俺は会長と才波が待つ、生徒会室に向かった。テストも終わったし、商品を集めて、二人は店を再開つもりだと思う。
生徒会室に入ると、会長は明らかに落ち込んでいた。テスト終了した次の日から、授業でテストの返却があった。先生はクラスに赤点はいなかったと言ってたけど、ギリギリだったんだろう。その姿をクラスメートに見られたくないわけだ。
会長は頭の鋭さや悪知恵が働くが、勉強に関しては駄目駄目だった。ヒーロー作戦をやっていたのは理由にならない。
俺はこうみえて平均七十点をキープしている。会長に嫌味として、教えたいぐらいだ。
才波は落ち込む会長を慰める事はしてなかった。いや、しようとしたかも。ただ、才波は頭が良かった。誉めて貰おうと一枚のテストが置かれていた。その点数は九十と、会長にとっては眩しい数字だった。
「落ち込んでる時に悪いけど、頼みたい事があるんだ」
「別に落ち込んでないし、水着は絶対嫌だから!」
やっぱり、しっかりと盗み聞きしてたらしい。才波は軽蔑な目を向けている。ヒーロー作戦じゃなく、現実の事と考えてるかもしれない。
「誰が爺婆の水着を見たいんだよ。そんな特殊な性癖なんてしてないし。健全な男だからな」
その言葉は、それはそれで才波は若干引いてる。俺が本当のオタクで、キャラしか愛してないとでも? その方が普通は引くぞ。
「テストの件はノーコメントよ。勉強も教えてあげられないわ」
「それは分かってる」
「即答なのが逆に腹が立ってくるわね」
会長は落ち込むのを止め、弁当を食べ始めると、才波も待っていたかのように弁当の蓋を開けた。
「会長にもある意味関わってくる事なんだよ」
「あの……私はどうすれば」
才波はオドオドと手を上げる。憧れの会長と一緒にいるのもあるが、現実とヒーロー作戦の時の性格が正反対。多分、シャイ婆の時が本質だ。
「レムリアが姿を消してしまったんだ」
「愛想を尽かされたのね。お気の毒? むしろ、良かったわけ?」
いやいや! レムリアは結構好き勝手にしてたわけだから、立場は逆でしょ。レムリアが悪女に感じるのは……否定出来ないけど。




