兵器を作成しよう ー11ー
「ゼッゼッゼッゼッート!」(それでは今回の専用武器はダラララ……背中に翼形の武器。空飛ぶのも可)
「ゼッ〜!」(ハァ! 何言ってるのか理解出来ないすわ)『あんな熱い討論会を無視するとかいい度胸じゃない』
レムリアの言葉が表示され、怒りが収まらないのか、俺だけに聞こえる声も口調が荒々しい。
「ゼッート! ゼッゼッ」(いや……部位は背中と書かれてますし、道具もそっち形の物ばかりですから)
棺桶にはゲス大佐の人形以外にも道具が用意されていた。マントや蝙蝠、鋼に刃、ロケット。それとレシピではなく、要望紙みたいな物。その要望紙に背中と、合体式の飛べる武器と書かれてる。
開発局で勝手に決めるんじゃなくて、依頼者も要望を書く事が出来るみたいだ。まぁ、専用武器を作るわけだから当たり前なんだろうけど。
「ゼッゼッ! ゼッゼッ!」(却下よ、却下! 命令なんて破るためにあるの! 混沌はそのためにあるのよ!)
レムリアは強く力説したせいで、語尾に『すわ』を付け忘れてる。
「ゼッート!」(混沌にすればとかではなく、十八禁に該当する可能性があるのは)
博士役の戦闘員は意外と真面目みたいだ。確かに股関の如意棒は危険な気がする。使用する場合、突き抜けるか、チャックを全開するか。うん! 変態だな。
「ゼッ!」(あんなので十八禁になるのだったら、おっぱいミサイルとかパンチラフラッシュも駄目でしょ!)
おっぱいミサイルは専用武器じゃないんだけど、胸部分が開け、ミサイルが発射される。パンチラフラッシュは専用武器。スカートを捲ると発動する目眩まし。男なら誰もが目を向けてしまうという。
「ゼッート!」(それは需要があるから)
「ゼッ!」(専用武器なんだから、需要とか関係ないでしょ)
俺としては博士役戦闘員側につきたいんだけど。店長の依頼なわけだし、知り合いだから成功させてあげたい。けど、レムリアの考えた武器で名言を作って欲しい気持ちもある。
「ゼット!」(どうやら相容れないようね。こうなったら)
「ゼッ!」(アイツをやっちゃうんっすわ!)
「ゼッ!」(金を一人多く貰ってるのは駄目っすわ)
「ゼッ!」(姉さんに付いていくっすわ)
俺は男なんだけど、レムリアの声で女と思ったみたいだ。というか、リーダーになってるんだけど?
『何やってるんだよ。こんなの失敗する流れじゃないか。成功した場合を見たかったのに』
『良いじゃない。金はすでに貰ってるわけだし、ゲス大佐は有名なんでしょ? 成功でレシピを見れない可能性もあるわけだし、失敗の方がお得でしょ』
レムリアはそこまで考えて……るわけがない。本気でゲス大佐の専用武器を股間につけようとしてた。
その結果はどうなったって? 勿論専用武器作成は失敗に終わったさ。しかも、レシピは見れず仕舞い。なんせ、戦闘員が暴れたせいで大失敗。レシピは出現する前にフロアが爆発したから。そのせいで、大失敗の代償。借金が合計マイナス三万にまた増えてしまったわけだ。




