兵器を作成しよう ー10ー
『やっぱり、お前の仕業じゃないか! 盗み聞きか、店長が誰なのか調べたんだろ』
『偶然偶然。でも、メリットあっても、デメリットはないでしょ? 開発局に咲哉がいるなんて誰も思わないんだから』
偶然とか絶対嘘だ。名前が伏せられてたし、笑ってたんだから。店長は閉店作業をしてるけど、携帯でヒーロー作戦をやってたんだ。なかなか進まなかったのも納得出来るし。
『そうかもしれないけど……怖いよ! 何するんだよ』
ゲス大佐は会長の変身姿みたいに人と変わらない。軍服と片目に眼帯をした店長だ。変身後の方を自分に似せた姿をさせたんだ。宣伝効果もあるみたいだし。
その店長が目を見開いた状態、死んでるような格好で横になってる。人形だと分かってるんだけど。
『あっ! 目が動いたんじゃない』
『お腹を裂いたら、本物みたいに臓器が沢山』
レムリアは店長が俺を見たとか、グロい映像が見れるみたいな、怖い事を言ってくるし。
「ゼッ〜ト!」(今回は専用武器の作成。何処に装備出来るようにするか)
「ゼッ!」(部位も武器形態も被らせたら駄目っすわ)
「ゼッ!」(今回で三回目みたいっすわ。二つは鞭と眼帯外したらレーザーっすわ)
店長の依頼は専用武器の作成。店長でも三回目という事は作成するのに条件があるんだろう。一回目が右手に鞭、二回目が左目にレーザー。
専用武器があるって事は俺も作成可能なんだろうか? 剣とか目立つ武器は駄目だけど、眼帯で隠すのもありなら、やりようがある気がする。
それをレムリアに尋ねようとしたんだけど
「ゼット!」(股関っすわ。股関に如意棒は伝説になるっすわ)
「ゼッ!」(良い案っすわ。レーザーもありっすわ)
「ゼット!」(駄目よっすわ。レーザーはもう使ってるわっすわ。ドリルもありっすわけど、リアルを考えて)
と、レムリアは俺が話してるようにして勝手に会話に加わってる。それも股関推しだとか、女のくせに下ネタを狙ってる。
店長には悪いんだけど、俺じゃなくて本当に良かった。




