兵器を作成しよう ー4ー
「ちょっと! 貴方って本当はプレイヤーで私の事を知ってるわけ? 貴方が盗んだ本なのよね。家に届くならまだしも、学校の下駄箱に届くなんて。最初から私の事……学校関係者なの?」
しまった! 学校でキョロキョロしてたのは嬉しかったわけじゃなく警戒してたのか!普通なら誰なのか分からないはずが、学校に本が置かれてるとか怖い……って、俺がした事だ。
「誰? どこで私の番号を知ったかは分からないけど、そんな言い掛かりを言われる筋合いはないんだけど」
その電話に出たのは俺じゃなくてレムリア。墓穴を掘り、正体をばらしてしまうと思ったんだろう。俺もそう思う。
「えっ! 折り返しの電話だから番号が間違ってるわけが……すみません」
会長は着信履歴から電話したはずなのに、出たのはレムリア。女性の声だから会長も別の誰かに掛けたと思い込む事が出来たんだと思う。
もう一度、会長から電話が掛かってきたけど、レムリアが文句を言って即切りした。何か申し訳ない気持ちになる。会長からしたら謎のプレゼントで怖い気持ちになってるかもしれない。
「あのさ……俺が悪いわけだし、会長に正体を言っても」
「学校で話せるわけ? あっちも知られたくないと思ってるんじゃないの。直接本人に話すのなら、今回だけは認めてあげてもいいけど」
それは俺が現実の会長に話し掛ける事なんて出来ないと思ってるんだ。そう考えた事を後悔させてやる。戦闘員って事を誰かに話したいって気持ちはあるんだ。
「それよりもミッションの続き。マイナスになってるんだから、今回はそれなりの仕事を用意、行き先はすでに決めてるわ」
「裏とか何もないだろうな?」
「咲哉のためになる場所に決まってるじゃない。行き先は色んな開発局を回ってもらうんだから」




