兵器を作成しよう ー2ー
「呼んだ? って、咲哉は注文があるんだから手を動かす! 店長は男性の変身が入ったから、そっちをお願い」
波新さんは呼ばれた事で、俺と店長が手を止めてる事に気付いてしまった。視野が広いので店長よりも場を仕切る事が多いんだ。
「手伝うのなら女性コスプレ」
「……何か言いました!」
「喜んで〜!」
コスプレ依頼がカップルだったみたいで、店長は彼女の着替えを手伝いたいと言おうとしたけど、お盆で頭を叩かれた。
「いちいちふざけてくるのが面倒なのよ。……咲哉もヒーロー作戦を手に入れたんだってね」
手を動かせとか言いながら、俺に話し掛けてくる。波新さんも俺が応募してるのを知ってたし、店長が教えたかもしれない。
「あっ……はい。けど、二人に所属とか色々教える事が出来ないんで」
「そうなの? 三人が揃ったから、教えてあげてもいいかなと思ったんだけど」
「えっ! そ、それなら」
「冗談。私も教えてあげない。さっきのは良い反応だったわ。イラッとしないでね」
波新さんは俺の反応を見て、少し笑った。クール系な姿をしてるけど、お茶目なところもある。いつもなら年上だけど可愛いなと思うはずなんだけど、波新さんの言葉通り、若干イラッとしてしまった。
「ほら、手が止まってる。動かす動かす」
話を振ってきたのに理不尽だ。そうか! 口調は少し違うけど、波新さんの声がレムリアのに似てる気がするんだ。それでも、レムリアの声を波新さんがしてるわけがないんだけど。
「こっちは終わったぞ。二人は波新と一緒に写真を取りたいらしいから」
「はいはい……その料理を持っていったら、チェキしてします」
コスプレ喫茶はその場で写真を取ってもらうのもいいし、店員と取るのもお金を払えば可能。波新さんは一番人気だ。
「って!……あれ」
俺は女性側のコスプレ姿に驚いた。赤と青の混じった髪にその色のカラコン。黒と白の魔法少女の服装。レムリアのコスプレがすでに用意されてた事に驚きだ。




