ダンス・ダンス・DIEっす ー21ー
「そういえば、用事があるからって早退したけど、イベントには彼女と言ったのか?」
才波には放課後に住所を教えると言って、昼飯を一緒に食べる事はせず、教室に戻った。
「まぁ……けど、彼女じゃないからな。会長の知り合いで……メタモルフォーゼの常連……ヒーロー作戦好きな仲間?」
どう説明すればいいか分からない。シャイ婆だって事や会長がヒーロー作戦をやってる事は黙ってた方が良いだろうし。
「会長と仲良くなったのも、彼女のお陰か? 鞄を持たずに早退しただろ? 俺に預かるように言ってきたから。何日か前に生徒会室に呼ばれた事もあったよな」
何してるんだ? 会長が回収するんじゃなかったのかよ。今日休んでるから、阿久真に預けて正解だったけど。
「バイトの店長と会長は幼馴染みたいなんだよ。その関係で少し話す機会が出来たの。生徒会室に呼ばれたのもバイトの件だから」
「そうなのか? なら、俺にも紹介してくれよ。ヒーロー作戦仲間は増やしたいからな」
「えっ……聞いてはみるけど」
その気持ちは分からないでもないけど、秘密を知られるわけにもいかないし、断ってもらおう。……いや、いい加減にヒーロー作戦をやってる事を教えた方がいいのか?
†
「雪月がいない? 学校も休んでるのか」
才波には会長の家に行ってもらい、俺は『メタモルフォーゼ』で仕事の最中。駄目と分かりながらも、才波からの連絡があったので確認。一応、コネクトも交換しておいた。
「そうなんですよ。後輩の女子が家に訪ねたけど、誰も出ないみたいで」
「雪月の両親は海外の仕事が主で、家を空ける事が多いから。この前の休んだ事も親は知らないと思う」
店長は会長の携帯だけじゃなく、家電にも連絡を入れてくれたけど、繋がらない。
バイト前にレムリアと連絡を取って、聞いてみたけど、会長はヒーロー作戦にログインしたまま。偽レムリアを探したみたいに、会長の行方を調べるように頼んでおいたけど。
「ヒーロー作戦にログインした状態のままで、誘拐されたみたいなメッセージが俺達に届いたですよ」
「それはヒーロー作戦の中でだよね? 家で倒れてる可能性もあるんじゃないか」
そうだよ。両親がいないのなら、倒れても誰も気付かない。才波が来た事だって……
「確認に行ってくるよ。雪月の両親から鍵は預かってるんだ」
「あの……俺もついて行っていいですか?」
何でそんな事を言ったんだろう? まぁ……心配だから? 何か嫌な予感がしたのかも。けど、俺と店長が抜けると営業が……
「う〜ん……それなら、鍵を渡すから、咲哉君と学校の後輩で見に行ってくれないか?」
店長は俺に鍵を渡してくれた。俺を信用してくれたのもあるし、後輩である才波を連れて行くのも、女子がいた方が介抱しやすいから。




