VSシャイ婆戦 ー4ー
†
「お帰り。少し前から電話が鳴り続けて五月蝿いんだけど」
「連絡? 会長からなら出ればいいだろ? 前は俺の代わりに出た事もあるくせに」
バイト終わりで、ログインするとレムリアが面倒そうに電話を指差した。偽物探しを諦めたのか、『作戦本部』の今週号を読んでいる。
ゲームの住人が読むとか。情報収集方法が『作戦本部』だとすれば、ナビとしてはどうかと思うけど。
「黒雪じゃないから。イベント中に私が出るのもなんだし?」
タイミングよく、スマホが鳴った。鳴り続けるのなら、一度は出ておかないと。
『田中君』
連絡してきたのは会長。やっぱり、会長じゃないか。シャイ婆の説得の件だろ。明日でも問題なかったんだけど。
『あれなんだけど、仲間になる条件は貴方がシャイ婆に勝つ事だって』
「はっ? 何でそんな事に。俺が戦闘員なのは知ってるよね。普通にやって勝てる相手じゃないんだけど」
『色々とあったのよ。そこだけは譲らないみたいで。シャイ婆には田中君の連絡先を教えておいたから』
「ああ……レムリアが言ってた電話が鳴り続けてたのはシャイ……何を勝手に教えてるんだよ!」
俺にプライバシーの権利はないんですかね?
「だって、連絡がつかないのは都合が悪いでしょ? 今回も行けなかったわけだし。ドタキャンする可能性もあるでしょ」
ドタキャンって、あっちが勝手に決めただけだから。
『じゃあ、切るわね。ちなみにシャイ婆はかなり怒ってたから』
「来れなかったのバイトだからって……切ってるし」
今日だけじゃなく、昨日も行けなかった理由を話しておこうよ。っと、また電話が……
『本当にクズね』
今度はグズじゃなくて、クズですか。普通なら間違い電話ですぐに切るぞ。でも、良い声してる気がする。
『何? 黒崎先輩との仲を見せびらかしたかったわけ。そのせいで、黒崎先輩が罠に嵌まったじゃない。撃ち殺すところだったじゃない!』
待ち合わせ場所に罠を仕掛けたのはそっちだから。姿を見せずに倒す気満々だったって事だろ。
「どう考えても、お前のせいだろ。正々堂々と戦うつもりもなかったみたいだし」
『五月蝿い! 今度こそ、相手しなさい。今から! 場所と勝負方法は決めさせてあげるから。そうしないと逃げるつもりなんでしょ?』
「逃げるつもりなんかないし! 俺が勝ったら仲間になるんだろ。その時はこき使ってやるからな」
「それなら、私が勝ったら黒崎先輩から離れろ。現実でも、ヒーロー作戦でも!」
「そこは俺じゃなくて、会長に言ってくれ。俺がというよりも、会長の方が」
店を開く事になったのも会長のせいだし、呼び出すのも会長。お前が喧嘩を売ってるくるのも会長のせいだろ。




