始まりは下駄箱から ー7ー
ミッションスタートみたいに制限時間五分と放送が流れ、経過時間が表示された。この放送の声はレムリアじゃなく、機械的な音声。
(時間だけ教えられても……この状況を上手く逃げ出せばいいわけか?)
突発イベでも痴漢とか。悪側に用意されて物でも、この叫んだ女性が悪役だろ。冤罪で捕まるわけにもいかないぞ。
普通のプレイヤーなら変身して、女性を連れ去ったり、この電車を乗っ取ったりするかもしれない。
(けど、俺は戦闘員で、本屋の店員にもやられるからな)
下手したら、周囲の人達にボコボコにされるか、もしくは女性にだって負けてしまうかもしれない。
(それに変身なんて、普通に着替えないと駄目だし、痴漢に露出狂の変態が付け加えられるだな)
タイムオーバーになるとどうなるんだろう? 慰謝料とかで借金とか本当に嫌だぞ!
(レムリア様! お助けを。痴漢という無実の罪で再び借金地獄になりそうなんです)
俺は頭の中で叫んだ。レムリアの本来の仕事はナビであり、パートナー。見捨てる事なんて……多分ないはずだ。
『……何? 咲哉は変態なんだから、別におかしくないと思うし、忙しいって言ったよね』
(そこは否定しろ……じゃなくて、一瞬で着替えさせてもらうだけでもいいんで)
それも出来るなら東雲戦闘員の肌色タイツはやめて欲しいぞ。タイツを着ても弱いけど、別人だと誤魔化す方法があるかもしれない。




