限定鬼ごっこ戦 ー17ー
『と言っても、この行動順で終わらせないも駄目だからね。期待を損ねない事。次も手伝うとか言ってないんだから』
この行動順で決める。そうしなければ、雪月は動けなくなる。戦闘員のままでは最悪であり、シャイ婆に発見させる時間を与える事になる。
「期待とか……されるのは慣れてるのよ」
雪月は比呂高校の生徒会長。教師や生徒から期待される存在。レムリアは雪月を鼓舞させる方法を知っていたのか、事実を告げただけなのか。
シャイ婆が撃つ瞬間に、田中スライムを放つ。そのタイミングはジャスト。ここでヒーロー二人に攻撃を止めさせて、撤退させる。
そうなるとシャイ婆はどうする? 逃げる相手に銃を向ける? そうはしない。黒雪に執着しているのであれば、そちらを追う。田中スライムが再び元に戻ったのなら尚更だ。
「拓……ゲス大佐には二人に攻撃を止めるように言った。案の定、動いてくれたわ」
シャイ婆は確認のために動かなければならない。跳弾するための壁がない場所。そこを選んだ。
2Dには映らないけど、田中スライムがいる場所に向かうプレイヤーが。それは小さな女の子。シャイ婆は名前で、お婆さんのイメージなのが、実は違っていた。子供の大きさなら身を隠しやすく、イメージも違うので間違う。
紹介時の時だけ、お婆さんの顔にしていたのなら、頭が良い。
「……ん?」
シャイ婆の横顔に雪月は見覚えがあるような気がした。アバターは選べるので偶然であるはずなのだが、気になったのは仕方ない。狙われる理由も関係するかもしれない。
『追うべきね。罠にかかるのか確認しないと』
田中スライムがいた場所に行く曲がり角、そこに地雷が設置されている。逃げる側でなければ、同じ道を進む事は出来る。
そこで爆発音が鳴り響いた。誰かが罠に嵌まった。2Dでシャイ婆の生存は確認出来ない。直接雪月が見に行くしかない。




