東雲崩壊序曲 ー16ー
「冗談はこれくらいにして、咲哉君と雪月には後で話すとしよう。用があるのは」
「有名人のゲス大佐が一体何の用? そういえば、正義の真似をする悪のリーダーがいると聞いたけど、貴方なのね。後ろには見覚えのある雑魚がちらほらと」
戦闘再開十分前。ゲス大佐の後ろ側には怪人ではなく、正義のヒーロー達。商店街の人達はすでにやられてそうなんだけど。
「彼等はお前達に不当な解雇を受けたヒーロー達だ。悪に協力してでも、お前達と戦うつもりだと」
東雲はホームページでも正義のヒーロー数はほんの僅かになっていた。不当な扱いで無所属となったヒーロー達が立ち上がってくれたわけだ。
「それよりも……東雲はどうした? あの騒ぎ、今の状況、色々と聞きたい事がある」
「さぁ、どうしたんでしょうかね。死んだのかもしれないし、私には既に関係ないかも。この場の指揮権は私にあるわけだし」
東雲とは関係ない? 死んでるかもしれない。フローラの言ってる意味が分からないぞ。別の誰かの命令で動いてる? けど、戦闘員達の姿は東雲のままだし。
「お前が指揮権を……なら、お前でも構わない。現実の商店街、土地の権利書はそちらに渡したと聞いた。条件はこの区に手を出さない事だと」
俺と会長が東雲の基地へ侵入している間に、商店街の人達は東雲側に権利書を渡していた? 店長が戦闘員に区を守らせてる時にかもしれない。それが手に入ったのなら、ここを攻める理由はないじゃないか。
「私が攻めるのはそういう事じゃないのよ。逆に権利書を返してあげてもいいぐらいよ。だって、東雲は区だけでなく、現実でも消滅してしまうから」
ヒーロー作戦の世界だけじゃなく、現実でも消滅? 別の企業に買収されたとか?
「その原因は誰にあるかは秘密なのよね」
そう言いながらも、フローラは俺に視線を向けた。もしかして、商店街の権利書みたいに、謎の欠片が東雲全権があったりするわけ? それをレムリアが吸収したから。




