東雲崩壊序曲 ー14ー
「……田中スライムが私の手下になるわけよね」
レムリアは魔法で一瞬で俺に服を着替えさせてくれた。スライムに服を与えなくて本当に良かった。
「戦闘員が持つわけにもいかないから……けど、そう呼ぶのはやめてくれない……本当に名前が田中スライム!」
説明を見ると名前は『田中スライム』になってる。咲哉じゃなくて田中? 良かったのか、他の田中さん達に申し訳ないと言うか。人の名前を付けるのは酷すぎだろ。
「咲哉スライムだから弱いけど、意外と使えるじゃん」
レムリアはわざと間違えたな。能力は俺を媒体にしてるせいなのか低い。HPは三。魅力、器用さがあるわけがなく0。
ただ、防御が九百と異様な高い。打撃や物理攻撃を無効化という特殊能力があり、火が弱点なのと、時々浮上する顔を攻撃されると一発で消滅。
攻撃は0。攻撃方法は臭い息を撒き散らす。それを吐く時、顔を浮上。その時、ゲップの音を鳴らすので不快にさせる。
防御特化の魔物で、相手を惹き付けてくれる可能性はあるな。どう考えても早く倒したいだろうし。
「はぁ……戦闘員みたいに収納出来るんだよね。それで常に臭い状態なのは嫌なんだけど」
攻撃が臭い息って事は、本当に臭ってくるんだろう。それを所持する事で、会長自身が臭いと思われるかもしれないわけか。
「まぁ……今回は道具に入れなくても。すぐに戦闘に入るなら、出してる暇がないかもしれないわけだし」
再戦まで三十分を切った。その間、敵もいないし、ゲップするなよ。残りの時間で俺の武器を作らないと。
目立つ武器は無理なら、トラップ系の武器がいいのか? ゲス大佐も使ってたわけだけど、仕掛けたのは戦闘員達だろうし。
「って、早いよ! 俺の武器が出来るまで待つべきでしょ」
会長は止める暇もなく、共同区に移動した。三十分前には東雲側も共同区に入ってるだろう。店長達と戦闘に入る前に攻撃を仕掛けるつもりか?




