東雲崩壊序曲 ー13ー
「本当に外に出れないんだけど!」
俺は小人の大きさになり、ミキサーの中に入っていた。這い出そうにもミキサ容器はあまりにも高すぎる。声が届いたとしても、アイツ等は無視してるし。
「何を入れたら強くなるわけ? 田中君のイメージだと普通過ぎて、そこまで強くなる事はないと思うんだけど」
「それなら混沌狙いでしょ。この間はう○こが出来たんだけど、滓がまた出たから、それも入れてみよう」
いやいや! せめて強い改造人間を作ろうよ。部屋の中に動物はなかったけど、鋼鉄系はあったと思うし。
「鋼鉄系は普通の武器になるか試してみればいいわけだし」
ミキサーの中に腐った物や食べ滓が入ってくる。生魚もあったりで、こういう時に限って臭いを吹き掛けてくるから、臭いのなんのって。
「仕方ないわね。気休めに赤ワインを入れてあげるわ」
隠し味みたいに赤ワインを入れられても。
「それではボタンを押すから。器用さも必要だし、私が上手い具合に混沌にしてみるから」
スイッチを押すのはレムリア。ここは成功するか、失敗した方がいいのか全然分からない。改造人間、魔獣になっても意識があるなら、もしかしたら怪人と何も変わらないかもしれないし。
「けど……やっぱり、回されるのは気持ち悪い……意識が……」
『こんと〜ん』
ミキサーの中から声が流れた。結果は混沌。
「こんな形になるなんて……一緒にいたくないかも……プププ」
「貴方の姿は忘れないわ。今回の戦闘で死なせてあげるから」
完成したのは人や獣の形もしてない、赤色のスライム。しかも、律儀に俺の顔部分と、食い滓とか色々な物が律儀に中に残ってる状態。俺からしてもかなり引くぐらいに気持ち悪い。
「って……、俺は無事に戻ってこれたから! 裸の状態だから、早く服を用意してもらえると」
レムリアと会長は俺がスライムになったみたいに言ってるけど、その奥にいるからね。大事な部分は手で隠してるから。
「スライムでも話せるのね。赤色でも透き通ってるから服が必要だなんて……まずは臭いをどうにかした方がいいと思うけど」
会長は俺の姿を見て、目を反らしてるのに、レムリアはスライムを俺として扱いし。本当に俺自身が臭いと言われてるみたいで、心が傷つくから。




